放送内容

#72

リーバイス・マスターテーラー 田真行

1853年にサンフランシスコで創業したデニムメーカー・リーバイス。170年以上に亘り、大陸を越え、世界中で愛される商品をつくり続けてきた。そんな世界的なデニムメーカーには、自分だけのオリジナルジーンズをオーダーできるサービスがある。
「LOT No.1」。
生地や色、ボタンやポケットなど、客のニーズや体型に合わせて、そのディティールを綿密にヒアリングしながら、一点物のジーンズを仕立て上げる。これは世界の限られた店舗でのみ行われているサービスで、最高レベルの技術者しか担当することが許されておらず、アジアでは2人しか存在しない。
そのうちの1人が日本の職人、田真行(36)。
肩書は「マスターテーラー」。オーダースーツさながらに採寸から型紙作成、裁断、縫製までをたった1人で行うジーンズの職人だ。田の仕事は全て手作業。色や厚さが違う15種類の生地選定から始まり、客の好みにあった形を探るフィッティングを行い、採寸したデータを元に型紙をつくり、6台ものミシンを使って縫製する。そこには、客の想像を超えた一本をつくるための、決して気づかれることのないミリ単位のこだわりが。
そんな田の元に、新たな注文が入った。カウンセリングから納品までは約1ヶ月。その間、ひたすらミシンと対峙する田の後ろ姿に、マスターテーラーという職業の真髄を目の当たりにする。