番組表

放送内容

#119

理化学ガラス職人 加藤大介

2000℃の炎を自在に操り、ガラスを思い通りの形へと導く――理化学ガラス職人・加藤大介(49)。
全国の学校や企業の化学研究室に必ず一つはあると言われる「桐山ロート」をはじめ、様々な研究で使われる実験用器具をつくる、東京都荒川区の桐山製作所。加藤は工場長を務めている。
特殊な形状であるため、精緻な製作が求められる理化学用ガラス。多くの職人が旋盤機械に頼るなかで、加藤はあえてすべての工程を手で行う。炎の色で温度を読み取り、割れやすいガラスをわずかな変化も見逃さずに成形していく。その速さと正確さは群を抜き、他の職人が真似できない域に達していると評される。
その技術は、創業者・桐山弥太郎氏の技を継承しながら、生来のセンスに加えて独自に磨き上げてきたものだ。「好きだから、失敗しても正しく努力を重ねてこられた」と語る加藤。30年にわたる歩みには、情熱と努力の跡が詰まっている。
加藤が魅入られた、炎とガラスが織りなす未知の世界に迫った。