番組表

放送内容

#136

炭焼き職人 谷地司

古来、日本人の暮らしを支えてきた「木炭」。
しかし今、その生産者は減り続け、炭焼きという仕事は消えゆく伝統になりつつある。
そんな時代に、最高品質の炭づくりに挑み続ける男がいる。
岩手県の炭焼き職人・谷地司(51)。
岩手は木炭生産量日本一を誇る地域。中でも谷地は、2018年に農林水産祭・内閣総理大臣賞を炭焼き職人として初めて受賞した。その技術と品質は、いま全国から注目を集めている。
谷地が手がけるのは「黒炭」。古くは平安時代から使われ、江戸から明治にかけて一般家庭の燃料として親しまれてきた炭だ。着火しやすく火力も強いことから、現在は主にBBQ用として広く流通している。しかし一般的な黒炭は、煙や臭いが多く、火持ちも弱いという弱点を持つ。
ところが、谷地の黒炭は違う。外国産に比べて煙や臭いが少なく、火持ちも抜群。
その品質の高さから、国内はもちろん海外のレストランからも注文が入るという。
その秘密は、長年の経験で磨き上げた職人の感覚と徹底した温度管理にある。
原料となる木材を燃やして炭化させる窯の内部は、直接見ることができない。
谷地は、窯から漏れ出る煙の色や勢いを手がかりに火加減を読み取り、最大800℃を超える窯の温度を繊細に調整していく。こうして木材は、最高品質の黒炭へと生まれ変わるのだ。
 
最高品質の木炭を生み出すべく、窯に向き合い続ける男の日常を追った。