番組表

放送内容

#137

タイル職人 白石普

西洋建築を彩ってきたタイル。
その可能性を追い求め続ける、異能のタイル職人・白石普(55)。
デザインからタイル制作、施工まで自らの手で担う、日本でも稀有な存在だ。
 
芸術一家に育った白石は、若い頃にイタリアへ渡り、古代ローマ遺跡やビザンチン建築の装飾文化に触れ、タイルの世界に魅せられた。さらにモロッコ・フェズでは、イスラム建築の幾何学モザイクを学び、タイル装飾の技術を身につけた。
 
白石にとってタイルは、単なる建材ではない。
建物を彩る「装飾」であり、空間の表情をつくる表現でもある。
焼き物ならではの色のムラや形の個性を生かし、人の手の痕跡が残るタイルにこそ価値があると考えている。
幾何学模様を駆使したデザインも白石の特徴だ。
コンパスと定規だけで緻密なパターンを組み合わせ、タイルならではの美しい空間を生み出している。
 
その仕事は評判を呼び、これまでジブリパーク「ジブリの大倉庫」の中央階段のタイル装飾をはじめ、多くの話題作を手がけてきた。そんな白石が新たに挑んだプロジェクトが、旧横浜市庁舎をリニューアルして開業する星野リゾート「OMO7横浜」のタイル壁画制作だ。既存のタイルを再利用するため、不揃いで欠けたピース、色や形に制約のある素材と向き合うことになる。その一枚一枚と対話するように、新たな価値を生み出していく白石の、独創的な仕事の現場に密着した。