番組表

放送内容

#150

左官 久住有生

壁や床、天井などを土で塗り仕上げる左官。日本の住まいを支えてきた伝統技術だが、時代の変化とともに担い手は減り続けている。その左官の世界で、国内外から注目を集める職人がいる。左官職人・久住有生(54)だ。
 
兵庫県・淡路島で、“カリスマ左官”として知られる父・久住章のもとに生まれた久住。3歳で初めてコテを握り、食事も忘れるほど厳しい修業を積んできた。しかし、高校時代まで左官の仕事に熱意はなかったという。そんな久住の価値観を変えたのが、スペインで目にしたガウディ建築だった。長い年月を経てもなお人を惹きつける建築の姿に、“残り続ける仕事”としての左官の可能性を見出した。
 
以来、久住が追い求めてきたのは、「壁ではなく環境をつくる」左官。水と土を混ぜ、多種多様なコテを使い分けながら、その土地の風土や空気感に馴染む空間を生み出していく。その仕事は、個人邸宅や商業施設にとどまらず、アート作品の制作にも及ぶ。伝統建築の修復をはじめ、国連本部での作品発表や、G7広島サミット会場の施工など、国内外で高い評価を受けている。
 
自然素材と向き合いながら、後世に残る壁を追い求める久住有生。土とともに生きる左官職人の情熱に密着する。