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#10

嵐山嵯峨野 なぜ人は癒やされる?

京の街の西に広がる旅の人気エリア、嵐山・嵯峨野。平安貴族の別荘地だったこの地は、なぜ時代を越え、「癒やしの地」として愛され続けているのか?今回は、賀来千香子さんが名所旧跡を旅しながら、その理由を探ります。
まず向かったのは、今も多くの女性を惹きつけている「野宮神社」。「源氏物語」の舞台にもなり平安時代を偲ぶ、癒しの社となっています。その物語に登場するのが、かつて天皇に代わり神に仕えるため都を離れ、伊勢神宮で日本のために生涯を捧げた女性「斎王」。彼女たちが伊勢へ向かう前、身を清めたのがここ嵯峨野の「野宮神社」でした。なぜこの地が禊ぎの場所として選ばれたのか?そこに、嵯峨野が今も〝癒やしの地〟として愛されている理由が…。

続いて向かったのは、嵐山の対岸、小倉山の麓に建つ「常寂光寺」。ここは、平安から鎌倉時代にかけ活躍した歌人、藤原定家が小倉百人一首を編纂したと伝わる場所です。平安貴族たちにとって和歌とは、出世に欠かせない重要なたしなみだった!? 藤原定家はこの地でどのように過ごし、どのように百人一首を編纂したのか?その謎を解き明かすヒントになるのが、都の中心で活躍した若い頃の肖像と、晩年の姿を写した像。定家を癒やしたかもしれない嵯峨野の絶景とも対面。
さらに足を伸ばし、奥嵯峨の山あいの寺院「愛宕(おたぎ)念仏寺」へ。現代の人々を癒やしている場所です。そこで迎えてくれたのが、1200体もの可愛らしい羅漢像。それら一体一体に人々の深い思いが込められていると言います。そこには、〝京都一の荒れ寺〟の復興物語がありました。
また、今、現代女性を癒やす人気スポット、京七味の名店や、人力車での散策も楽しみます。
今まで知らなかった嵐山・嵯峨野の魅力と出会う旅です。


【専門家出演者】
●同志社女子大学 教授
天野太郎さん

 


 

嵐山・嵯峨野 なぜ人は癒やされる?
嵐山・嵯峨野は、美しい自然が迎えてくれる人気観光地の一つ。今回は賀来千香子が、嵐山・嵯峨野が1200年もの間、癒やしの地であり続ける理由を探る!

 

野宮神社 源氏物語の舞台
最初に訪れたのは、平安時代の女性を癒やしたと伝わる「野宮神社」。六条御息所が「斎王」となる娘と伊勢にくだることを決意し、野宮神社を離れるという「源氏物語 “賢木の巻”」の舞台と伝わる。斎王とは、伊勢神宮で天皇に代わり天照大神に仕えた未婚の皇族女性のことで、恋も許されず祈りを捧げる日々だったという。

 

<野宮神社>
・住所:〒616-8393京都市右京区嵯峨野宮町1
・電話:075-871-1972
・公式サイト:http://www.nonomiya.com/

 

国に身を捧げた女性とは
飛鳥時代から鎌倉時代まで行われた斎王制度。選ばれた女性は、京都で身を清める生活を2年送り、出発前に野宮で1年身を清めて、3年目で伊勢に出発したという。周辺の美しい風景をモチーフにした「野宮のじゅうたん苔」では、嵐山・嵯峨野において水が重要だと表現されている。
嵐山・嵯峨野が身を清める場所として選ばれた理由とは?斎王は、清らかな水と美しい風景に心を癒やされながら過ごし、伊勢へと旅立っていた!

 

人力車で巡る絶景スポット
続いては、賀来が人力車に乗って現代の癒やしを体験!「竹の散策路」で風が吹いて笹がすれる音は、「残したい日本の音風景100選」に選ばれている。撮っていただいた幻想的な癒やしの写真を賀来は絶賛!
嵐山・嵯峨野の風光明媚な新緑の景色にも癒やされながら、次の目的地へ。

 

平安貴族がこの地を選んだ理由
小倉山の麓に建つ「常寂光寺」に到着。百人一首を編纂した人物を癒やした場所と伝わる。「小倉百人一首」は、万葉の時代から鎌倉時代の優れた100人の和歌を一首ずつ集めたもので、晩年の藤原定家によって編纂された。
「歌仙祠」に祀られている「藤原定家の木像」を特別に公開!最晩年の姿だそうで、心を癒やされながら和歌を選んだからなのか、若い頃の肖像画とは違って温かみのある表情をしていた。
都の喧噪を離れ、静かな地でゆったり好きなことをして過ごす。嵐山・嵯峨野は、そうした生き方を叶えてくれる場所であった!

 

<常寂光寺>
・住所:〒616-8397京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3
・電話:075-861-0435
・公式サイト:https://jojakko-ji.or.jp/

 

圧巻!1200体の羅漢像
次に訪れたのは、現代の人を癒やす場所だという「愛宕念仏寺」。「羅漢像」が訪れた人々の心を和ませてくれることから、“癒やしの寺”と呼ばれるようになった。1200体もの像は、前住職の西村公朝さんが “京都一の荒れ寺”を復興するために一般の方と完成させたという。
像は表情豊かで、それぞれ彫った人の思いが込められている。自分に似た像に心を寄せて笑顔になることで、より癒やしを感じられるとのこと!

 

<愛宕念仏寺>
・住所:〒616-8439 京都市右京区嵯峨鳥居本深谷町2-5
・電話:075-285-1549
・公式サイト:https://www.otagiji.com/

 

京七味の香りの秘密
続いては、天然素材を使った自家製の七味や塩を販売する「かみ舎楽」へ。店主の神舎佳代子さんによると、七味唐辛子は、神社仏閣の門前で売られたのが始まりだという。香りにこだわりがあるそうで、香りを引き立たせる工夫とは?!
人気スイーツ「特選山椒ソフトクリーム」をいただいた。賀来は「いつまでも爽やかな感じが香っている」と絶賛!

 

<かみ舎楽>
・住所:〒616-8392 京都市右京区嵯峨小倉山堂ノ前町1
・電話:075-881-1500
・公式サイト:https://kamisharaku.com/