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#12

登ってわかる!大文字山の真実

京の街の三方を囲む、美しい山々。そのひとつが大文字山。お盆の宗教行事「京都五山の送り火」で、「大」の字に火が灯る山です。そして、五山の中で唯一登ることの出来るこの山は今、多くの人々が登山を楽しむ京都トレイルコースの一部として人気。そこで今回は、大文字山と同じ名をもつ俳優・渡辺「大」さんが、「大」の火床を目指す旅を楽しみます。
旅の始まりに、まずは大文字山登山をより楽しむために、今、大人気のお弁当を入手。そして銀閣寺の参道へ。今年の送り火のためすでに準備されている大量の薪も拝見。山を登るまでの道のりで、「大文字の送り火」がいかに地元の人たちに代々受け継がれ、その暮らしにいかに密着しているかを知ることになります。さらに、大文字山の麓にあるのが、室町幕府8代将軍・足利義政によって造営された山荘を起源とし、のちに寺となった世界遺産・銀閣寺。この足利義政と大文字の送り火に深い関わりがあると聞き、その謎を解くためいよいよ登山ルートへ。

山中では森の植物を堪能し、自然を満喫!そのルートにも、興味深い見どころが数多く待ち受けていました。
登山と関係のある仏を祀る「行者の森」。そして、天下人・豊臣秀吉の代名詞を冠する石切り場では、大文字山が京都の様々な文化を支えてきたことが明らかに。さらに登ると、足利家の衰退と大文字山の関わりを知ることが出来る歴史スポットが…。
そして、目的地の火床で待ち受けていたのは圧巻の絶景!そこでは、大の字に秘められた、知られざる歴史が紐解かれます。なぜ大の字が掲げられるようになったのか?さらに、なぜ「大文字の送り火」が始まったのか?時代を揺るがせた将軍・足利義政と息子の愛情秘話とは?
誰もが知る大文字山。そこで、これまで知らなかった真実と出会う旅です。


【専門家出演者】
●庭師「森の案内人」
三浦豊さん

 


 

登ってわかる!大文字山の真実
夏の夜空を彩る“京都五山の送り火”は、お盆に迎えた祖先の霊を送る宗教行事。今回は、渡辺大が五山の中で唯一登ることができる「大文字山」を登り、大の字に秘められた知られざる歴史に迫る!

 

まずは、華頂山の山頂にある絶景スポットを訪れた。「青蓮院門跡」の「将軍塚青龍殿」に併設された「大舞台」からの景色を堪能!

 

<青蓮院門跡 将軍塚青龍殿>
・住所:〒607-8456 京都府京都市山科区厨子奥花鳥町28
・公式サイト:http://www.shogunzuka.com/

 

大人気の登山弁当とは?
大文字山を登る前に「名代 おめん 銀閣寺本店」で、「大文字登山弁当(事前予約制)」をいただいた。お弁当1個につき100円を、大文字山の保全や送り火の準備・運営を行う団体「大文字保存会」に寄付している。
店の前には、送り火で焚いた薪が炭になった「消し炭」が飾られていた。京都では、消し炭を厄除けのお守りとして玄関先に吊す習慣があるのだとか。

 

<名代 おめん 銀閣寺本店>
・住所:〒606-8406京都市左京区浄土寺石橋町74
・電話:075-771-8994
・公式サイト:https://omen.co.jp/

 

銀閣寺と大文字の関係
次に訪れたのは、大文字山の麓にある「銀閣寺」 。室町幕府8代将軍・足利義政が終の棲家として造営した山荘で、後にお寺となった。義政が生前使っていた書斎「同仁斎」は、四畳半の始まりと言われている。

 

<銀閣寺>
・住所:〒606-8402 京都府京都市左京区銀閣寺町2
・電話:075-771-5725
・公式サイト:https://www.shokoku-ji.jp/ginkakuji/

 

送り火前にしか見られない貴重な品
大文字山の麓「八神社」にある「大文字保存会集会所」で、送り火に使われる薪を見せていただいた。今年使われる「アカマツ」の割木は去年伐採したもので、約1年かけて乾燥させ、準備しているという。送り火にアカマツを用いる理由を教えていただいた。

 

<八神社>
・住所:〒606-8402 京都府京都市左京区銀閣寺町26
・電話:075-771-5159

 

<大文字保存会集会所>
・住所:〒606-8402京都府京都市左京区銀閣寺町25

 

天下人の名が付けられた石切り場
いよいよ大文字山へ。登山口のすぐ側にある「行者の森」には、登山と関わりの深い仏「神変大菩薩」が祀られている。
大文字山周辺は花崗岩が基盤をなす地帯で、石切場跡が幾ばくか存在するという。険しい斜面を登っていくと、大迫力の石切場が!「太閤岩」とも呼ばれるこの場所は、豊臣秀吉が活躍した時代によく使われた場所で、神社仏閣の庭園の石などに使われたという。

 

足利家の運命を左右した場所
山中に生い茂る「ウリハダカエデ」の豆知識を教えていただき、「千人塚」がある場所へ。
13代将軍・足利義輝は要衝の地であったこの場所で、当時の権力者・三好長慶と戦ったが敗れ、足利家は衰退の一途をたどることになった。おびただしい数の亡骸が発掘され、供養のために塚が祀られたという。

 

絶景の火床 送り火の秘密
眼前には大パノラマが広がり、京都市内の観光名所を一望することができる。“大の文字”の全ての画が交わる中心点「金尾」では、火床が特に大きく作られるという。“大”の1画目は80m、2画目は160m、3画目は120mにも及び、火床の数は全部で75基。“大”という字が使われるようになった諸説を教えていただいた。
この文字を最初に作ったのは義政で、金尾の線は「相国寺」の方を向いている。義政は、相国寺に眠る息子・義尚を弔うために“大”を描き、送り火を始めたとのこと!

 

<相国寺>
・住所:〒602-0898 京都府京都市上京区今出川通烏丸東入
・電話:075-231-0301
・公式サイト:https://www.shokoku-ji.jp/

 

標高465.3m 絶景の山頂へ
「大文字登山弁当」をいただいた後は、山頂へ。山頂からは京都市内だけでなく、山科や伏見まで望むことができた!