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#82

偉人たちが憧れた聖なる吉野
〜道長・義経・秀吉〜

奈良県のほぼ中央に位置する「吉野」。京都からは電車でも2時間ほどかかる距離にも関わらず、藤原道長や源義経、豊臣秀吉といった歴史に名を残す偉人たちが憧れ、はるばる訪れた場所。今回は俳優の渡辺大さんが吉野を訪ね、偉人たちがこの地に憧れた理由をひも解きます。
吉野といえばよく知られるのが「桜」。まずは、春になると美しい桜が咲き乱れる絶景ポイントへ。秋は紅葉が楽しめるその場所からは、吉野の「特殊な地形」がよく分かるといいます。
そんな吉野の中心的な建物が「金峯山寺(きんぷせんじ)」です。創建より1300年の長い歴史を誇るこの寺院の本尊こそ、平安時代の貴族、藤原道長が吉野に憧れた理由。秘仏とされ普段は見ることの出来ない本尊ですが、2024年は吉野を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録20周年を迎える節目ということで、期間限定で特別に公開しているんです。およそ7メートルもの大きな仏に道長はどんな願いを込めたのでしょうか。
また、金峯山寺の近くにある「中井春風堂」では吉野の名物「吉野葛」に舌鼓を打ちます。まるで実演販売のような店主の楽しい口上で語られる吉野葛の美味しさの秘密とは?

続いては天下人、豊臣秀吉が訪れた「吉水神社」へ。安土桃山時代、秀吉はここで5000人もの人たちを招いて盛大な花見を開きました。なぜ秀吉は京都から離れた吉野で花見を開いたのでしょうか。その理由は神社にある建物の中に秘められていました。中にはなんと源義経ゆかりの部屋があり、かつてそこで、義経が弁慶や静御前と過ごしたと言うのです。さらにその奥には室町時代の初めに後醍醐天皇が開いたもう一つの「皇居」が…!秀吉がここに来たのは、彼らが深く関わっていました。
ではなぜ源義経や後醍醐天皇は吉野に来たのでしょうか。それは吉水神社からひと山離れた景勝地にありました。大きな岩と清らかな水が織りなす美しいその場所は「古代最大の内戦」の舞台のひとつ。日本という国の礎にも繋がるその戦とは?
多くの偉人たちの足跡が交叉する吉野で、幾世紀にも渡る壮大な歴史ロマンに思いを馳せる旅、ぜひお楽しみに。


【専門家出演者】
●吉野歴史資料館 学芸職員
 中東洋行さん