番組表

放送内容

そこにあるもの。 ~繋ぐ。送る。生きる。文化といのち~
#02 静岡  藤守の田遊び

まだ寒い3月の夜、闇の中鮮やかに咲き誇る花。神々しく白く浮かび上がる御獅子(おしし)。
田植え時期を前に、今年の豊穣(ほうじょう)を祈願して行われる、藤守地区の田遊びです。
 
田遊びとは、田おこし、種まき、田植えから、稲が育ち豊作になる様子を演じ、あらかじめ祝福することでその実現を祈願する予祝芸能のひとつ。藤守では古くからの神事の他、25番の演目が今に伝わっています。
 
演じ舞うのは藤守地区の未婚の青年たち。色彩豊かな装束と頭にはショッコと呼ばれる藁笠(わらがさ)を被ります。「猿田楽」では万燈花(まんとうか)が頭頂部につけられ、その満開の花の様子はたわわに実る稲穂を表しているとも。
その青年たちをまとめるリーダーが振取(ふっとり)という役。神事の他、神の化身である獅子を招き入れもてなす重要な役です。神様を舞台に招き入れ、田遊びの演舞を楽しんでもらうのです。
 
藤守の田遊びを守り続けてきた若い情熱と使命感が、境内の夜を美しく、華麗に彩ります。