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韓国騒然 人事異動で検察幹部一掃 新たな捜査機関も
■“盟友”曺国 前法相 2回目の在宅起訴
去年の大晦日にも、家族をめぐる不正で収賄など11の罪で在宅起訴されておりこれで2回目となります。
文在寅大統領のかつての側近に対して捜査を加速させているようにも見える検察。
まさに今、大統領府と検察が生き残りをかけた戦いを繰り広げているのです。
韓国 文在寅大統領(1月14日)
「依然として検察は、起訴権の独占状態にある。だから検察の改革は重要なんです。」
文在寅大統領が新年の記者会見で長い時間を使い、必要性を説明したのが「検察改革」でした。
去年9月9日、文在寅大統領は「検察改革」を実現するため盟友である
しかしその前後から、検察は
「私は今一人の市民に戻ります。法務省の革新と検察改革の課題は私よりも優れた後任者が担うでしょう」
わずか1か月で
さらに検察は先月4日元
■大統領府の関与は!? 疑惑のキーマンを直撃
文在寅政権に対する検察の捜査で最も注目されているのが「
2018年6月に行われた
現職の野党・保守系の
しかしこの市長選の直前、現職の保守系、
この影響があってか、市長選は新人の与党・左派系の
この警察の現職市長周辺への捜査。左派系候補を勝たせようとする大統領府からの指示だったという疑いが浮上したのです。
検察はこの疑惑について捜査を開始。焦点は大統領府による不正な捜査の指示があったのかどうか。
この事件の重要なカギを握るのが当時の

私たちは疑惑の中心にいる
事務職に異動になった彼に会うことができました。
Q:文在寅政権から捜査しろという指示はあったのでしょうか?
当時の

犯罪情報が大統領府から警察庁本庁に渡されたものだという話は聞きました。しかし
■なぜ市長選直前に捜査!? 深まる疑問
大統領府から、直接指示は一切なかったと訴える
Q:
当時の

これは市長本人に関する犯罪ではなく、市長の秘書室長に関する犯罪でした。そうすると、選挙はまだ6か月先なのに、市長の秘書室長に関する腐敗捜査を警察が遅らせるのは、それは正しい決定ではないと思います。候補者本人、市長本人であれば捜査を保留することもあるかもしれません。選挙が終わってから捜査しようと。しかし、市長の秘書室長に過ぎない人なのに、その人が腐敗犯罪の容疑があるなら、警察は、法と原則に基づいて捜査を行うのが正しいと思います。
Q:
当時の
別に良いわけでも悪いわけでもなく、公務員は大統領府と基本的に関係がないので何とも…、関係がないという感じですね。
大統領府とは関係ない法と原則に基づいた捜査だったという
この私たちの取材の2日後、
さらにその翌日、検察から
■粛清か!? 検察幹部を一斉に人事異動
大統領府の関与を追及する検察の捜査。
一方、文在寅大統領は今月2日、新たな法相に
すると1週間もたたないうちに、
それは検察幹部32人を交代させる人事。
大統領府へ迫っていた捜査の責任者、そろって飛ばされたのです。
さらに
■新たな捜査機関・・・検察の権限縮小
さらに文在寅大統領は「検察改革」として検事や判事などを捜査する、高位公職者犯罪捜査庁の設置法案、さらに検察と警察の捜査権調整法案などを年末から今年にかけて次々と可決。検察の権力解体に踏み込んだのです。
これまで韓国の歴代大統領の多くは、任期が終わると検察に逮捕されてきました。
法務・検察改革委員会委員長 キム・ナムジュン氏

韓国の検察は、世界で最も強力な権力を持っています。捜査権、起訴権、令状請求権など刑事司法制度の中で、裁判権を除いてすべてを持っています。一つの機関があまりにも多くの権限を持っているため、権力が乱用されやすく肥大した権力を分散させる必要があります。権力機関のけん制とバランスを備えようとしているのが、検察改革の目標です。
■野党は「検察改革」に猛反発
しかし文在寅大統領の「検察改革」には別の狙いがあるという指摘もあります。
野党・自由韓国党で法制司法委員会の
自由韓国党・法制司法委員会

検察改革は、左派政権延長のために行っているんだと思います。左派政権が長期間、維持・延長するために、すべての権力を掌握する必要があると考え、まず、司法権を掌握したんだと私たちはみています。
検察改革は、文在寅大統領の「左派政権20年構想」のために行われているというのです。
野党が最も問題視しているのが、年末に設置法案が可決された高位公職者犯罪捜査庁。
これまで検察が独占してきた捜査権と起訴権。これを大統領や検事、判事などの高位公職者に対する疑惑に限り高位公職者犯罪捜査庁が捜査するようにしたのです。一見、検察の権力を分散させるように見える新たな組織に問題があるというのです。
自由韓国党で法制司法委員会

大統領自身が庁長や次長の任命に大きな影響力を持ちます。当然、現政府が、親予党の人を検事として任命するのが目に見えていて、左寄りの、進歩系の法律家の団体から多くが選ばれるでしょう。その人たちは、文在寅政権、進歩政権の人たちを捜査しないでしょう。高位公職者犯罪捜査庁が捜査する人は、結局、野党側の人たち、判事や検事の中で言うことを聞かない人たち、そういう人たちになる可能性が高いのです。
さらに大統領の捜査逃れという面もあります。検察は、大統領の捜査ができなくなります。大統領をやめた後も高位公職者犯罪捜査庁の捜査だけを受けます。この組織には自分たちの親しい人たちが庁長や次長として任命されているはずですから、現職の大統領はもちろん、退職した後もその大統領を捜査しないでしょう自分たちが検察の捜査を避けるために作った組織、誠に恥ずかしい組織なのです。
(2020年1月19日放送)
大統領府と検察の熾烈な戦いが続いています。文在寅政権は、大統領府の捜査を進めてきた検察に対し、幹部を人事異動で一掃。さらに、新たな捜査機関「高位公職者犯罪捜査庁」の設置法を可決させ、検察の権限を大幅に縮小しました。2020年1月19日の『BS朝日 日曜スクープ』は、文在寅政権と検察の最終決戦を特集、事件のキーマンや与野党の論客を現地取材しました。
