番組表

広告

スペシャルアーカイブ一覧

#198

“政権を担うとしたら”立憲民主党・泉健太代表が生出演

立憲民主党は、枝野幸男前代表の後任に、47歳の泉健太代表を選出しました。泉代表は2021年12月5日の『BS朝日 日曜スクープ』に生出演。政権を担うとしたら、番組は泉代表に、新型コロナ対策や安全保障政策など、日本が直面する課題にどのような考えで臨むのか、質問しました。

■オミクロン株「どこで拡大するか、分からない中で」

上山

新たな執行部で船出した立憲民主党ですが、泉新代表は「国民のために働く政策立案型」を執行部のカラーにしていきたいとしています。きょうは日本が抱える様々な課題、これに対して立憲民主党が政権を担うとしたらどう臨むのか、こういう観点でお話を聞いていきたいと思います。早速スタジオには立憲民主党新代表の泉健太さんです。どうぞよろしくお願いいたします。

はい、どうもこんばんは。よろしくお願いいたします。

上山

そしてもう一方、元テレビ朝日政治部長でジャーナリストの末延吉正さんです。よろしくお願いいたします。

末延

はい、こんばんは。

上山

では泉健太さんについてまずはプロフィールです。

菅原

はい。プロフィールを確認していきたいと思います。改めまして北海道札幌市出身の47歳です。京都3区選出で初当選は29歳、すでに当選8回を数えます。代表選に関しては去年、旧国民民主党から合流して行われた時に、枝野前代表に敗れましたが、2度目の挑戦で立憲民主党の代表となりました。そして、2日に発足しました新執行部は、代表選挙で戦いました逢坂さんを代表代行、西村さんを幹事長、小川さんを政調会長に起用しました。旧民主党時代の大臣経験者は国対委員長の馬淵さんだけで、世代交代が進んだ印象です。

上山

こうした形での新たな船出ということになったわけですけれど、ぜひ泉さんには、立憲民主党が政権を担った場合に様々な課題に対してどう臨むのか、お話を伺いたいと思いますが、よろしいですか。

どうぞ、はい。もちろん、大丈夫です。

上山

それではまず伺いたいのはこちらです。新型コロナ対策です。変異種のオミクロン株が世界的に拡大傾向にある中、岸田政権は、11月30日から全世界からの外国人の新規入国を停止しました。日本人帰国者は自宅などで14日間の待機です。さらに陽性者が確認された場合には、飛行機内の同乗者全員を濃厚接触者としました。

世界的なオミクロン株の拡大を受け政府がとった一連の対応について、泉さんご自身だったら、あるいは立憲民主党だったら、政権を担っていたら、こうするんだということも含めて、一連の対策をどのように評価していらっしゃいますか。

これまでの菅内閣ですとか当初の安倍内閣に比べれば、かなり今回、踏み込んでスピードアップしたなとは思います。一方で、我々、今回の岸田政権の対策が出た時にチェックして感じたこと、指摘事項とすれば、やはり世界で市中感染の国々がどんどん拡大していると。どこで拡大していくか分からない中で言うと、待機が10日間と6日間と3日間、それぞれバラバラになっているわけです。しかし例えば、非常に感染の多い国から他の国に渡って、その国を経由して日本に入ってきた場合は、なかなか元々の出発した国が分からないままに3日間待機で終わってしまう可能性もある。基本はどの国から入国するにおいても、3日目、6日目、10日目のPCR検査を経て10日後に宿泊施設から出るという形のほうがより安全ではないかとは思います。厚生労働省が自宅待機のルール違反をした方を100名以上公表しているんですが、おそらく、あまりこの公表というのは効果が出ていないと思います。要は守らない人は守らないまま、どこかに遊びに行ったり、あるいは誰かと会ってしまったりしているということですよね。そういうことを考えると、やはり10日間、宿泊施設に留めおくということが今、重要じゃないかと思います。

上山

そのあたりは立憲民主党として厚生労働大臣に11月29日に要請していますが、末延さんはどうでしょうか。新型コロナ対策においては、立憲民主党にどのようなことを期待していますか。

末延

この2年間、ステイホームで、国民は頑張ったんです。だけど、政治の側からのメッセージがちゃんと出ない。「感染症村」の既得権益の構造の中から、情報が出てこない。最近で気になったのは水際対策で、岸田政権が一旦、全部、新規の予約停止と言ったでしょう。国交省が最初に発表して混乱した。海外に暮らす邦人の保護はしなければいけないんです。帰ってくるなというのは憲法違反のような話で、ああいうことをよく平気で言えるなと。国内に住んでいる人だけが日本人じゃないんです。海外で頑張って活躍している日本人がいるから、日本の経済とか、国力とかが保たれているわけで、ああいう基本を間違ったような時には、きちんと野党側が―明日から国会ですけどー基本の問題は、法治国家としてその部分を正してもらいたいということです。特措法の改正論議の時も、私権制限の話は結局、真正面からの議論をやらなくて、グチャグチャしたまま運用しています。憲法を含めて、どうあるべきかという、私権と自由、私権の制限の話、そういうことを真正面からやってもらいたいと思います。

末延

自民党も福田達夫さんのような若手が総務会長に起用されました。といっても50代なんです。40代のリーダーが世界ではいっぱい出ています、若い人が、女性も男性も。自民党は強いですから。政策論争と、いま言ったような、岸田政権の、海外に居る人は帰ってくるなみたいな話の是非を、きちんと国会でやってもらいたい。国会がほとんど開かれていないような感じで、(政府が勝手に)予備費だけを積み上げてくるような、かなり荒っぽい状況になっているわけですよ、緊急事態とはいえ。その辺を反対のための反対じゃないと、泉さんは言っているわけですから、(中道派のリーダーとして)、正面から腰を据えて、国民がなるほどなと思う論争をやって、政策の精度を上げてもらいたい。そういうことを期待しています。

■「私権制限が最適か、慎重に見なければ」

上山

泉さんは今、指摘がありましたけれど、飛行機に関して新規予約の停止の撤回がありました。それから私権制限の話もありました。この2点についてはどういった形で国会に臨むつもりですか。

過去の振り返りばかりを追及するためにということではなく、飛行機の予約の停止を言った直後に官邸に関係閣僚が集まっているんです。その時に何故、情報共有がなされなかったのかというところが不思議な感じがします。国土交通大臣、官房長官、総理、皆、官邸に集まっていましたので、そこで本当に共有がなかったのかどうか。ここはちょっと確認しなければいけないと思います。

末延

いまの状況は「大連立」を組んでもいいくらいの危機的な状況の中で動いているわけですよね。そこでやはり野党が今まで期待されなかったのは、どうも揚げ足取りばかりだと言われてしまって、そういう意味で目立つのではなくて、メディアの問題もありますが、ぜひ知恵を出してやっていってほしい。いまの話、水際対策は大事なんです。きちんと止めなければいけない。だけど、泉さんが先ほどおっしゃったように、同時に、先進国の責任から言えば、ワクチンを途上国にもっと積極的に出していくという、こういうことも世界に対する日本の責任です。その辺のことを、政府のケツを叩く感じでやってもらうと、立憲は変わったなという感じになるんじゃないかなと、どうですか。

おっしゃる通りです。我々もできる限りの案というか、知恵を出していきたい。それは別に、自民党にアシストしたいわけじゃなく、国民の皆様が求めることであれば、我々はそれをしっかりと考えて具体的に出していきたいと、そう思っています。

上山

河野さんはここまでご覧になっていて、どのようなことをお感じになりましたか。

河野

私権制限という話なんですけども、与党の中にも、日本にはこういうのは合わないとか、慎重な意見、多々ありますよね。これはあまり与党と野党、関係ないと思うんです。その人の持っている価値観だと。私は私権制限を常時かけるわけではなく、このような非常に危機的状況の時に、自分を守ると同時に相手のことも考えましょうという話なんですよ。決して暗黒の世界を呼び戻そうという話でもないと思うんです。ある意味、道徳的な話ですから、今の法制で対応できるんだという流れの方もおられるんですけれど、法律を作るのが国会議員の先生方のお仕事だと思いますので、より効果的に。よりもっと厳しい状況になることだってあり得るわけです、これから。そのことについて私権制限というものをやはり正面から向き合って議論していただきたいと思います。これは与党野党関係ないと思います。

今年の2月くらいですかね、特措法の議論の中で、私権制限の議論はかなりさせていただきました。去年も含めてなんですけれど、実は政権というか自民党側もかなり抑制的だなと私は感じています。やはり私権制限というのは、ひとつ憲法上ということもありますし、実際におそらくコロナの今回の対策ということで言うと、必ずしも私権制限が効果的かというところもありまして、実際に感染症がどんどん広がった中で、例えば外出ですとか営業ですとか、そういうものを規制するということに対する当然、憲法上の話がありましたけれども、それだけでなく、いざ私権を制限すると罰則が伴って、そして、それを取り締まりをしなければいけない。去年は留置所内でコロナが発生したなんていう話もよくありましたけれど、取り締まりを感染症対策とともに事実的な取り締まりが本当に出来るのかということも含めて。

それよりも、やはりちゃんと人流を抑制する。そのためには補償をしっかり出していく。そうすると日本の国民の皆さんは大方が指示を聞いてそれを守ってくれるということが、これまである意味、与野党を通じた認識ではないのかなと思っていますので、イコール私権制限が最適だということかどうか、ここはやはり慎重に見なければいけないと思います。

上山

やはりこれまで通り、立憲民主党としては私権制限に関してかなり慎重なスタンスで。

慎重であることは間違いありません。今年の特措法の議論の中でも、やはり、せめて前歴、前科になるような刑事罰というのは避けるべきだと。ありうるとしても、いわゆる行政罰。前科にならないような罰金刑だとか、そういうものはあるだろうけれど。可能な限り、それは何も処罰をすることが目的ではなく、やはり基本的にはルールを守っていただくということが前提ですから、それが出来るような事業者や個人に対する支援をしていくということのほうがより大事であろうと思います。

上山

なかなか第5派の時にお願いベースだと、皆さん言うことを聞かないということもあったと思うんですけれど。

皆さんという時に、どれくらいの方のことを指すかですね。言うことを聞かない方は中にはおられますが、ほとんどの方は聞かれていたという風に思いますので、やはりそこの、言うことを聞かない方も補償が弱いからとか、もう少し補償が上乗せされていれば言うことを聞いたのに、という方々は非常に多かったんじゃないかと思います。

■「もっと発信を強化いたします」

上山

そして法律の整備という観点では、オミクロン株の水際対策でも気になることがあるんです。

菅原

はい、現在、政府は外国人の新規入国を停止していますが、その根拠となっている法律は「出入国管理法5条1項14号」です。この条項で定められた対象は、「日本の利益や公安を害する行為を行うおそれがあると認められる相当の理由のある者」となっていて、そもそもテロリストを想定した規定なんです。立憲民主党は今回、外国人の入国禁止を厚生労働大臣に要請していましたが、この点に関して国会の場で法整備を進めていく。こういったお考えはいかがでしょうか。

この辺なんでしょうね。いかがでしょうかと聞かれたということは、立憲民主党が去年の12月からこの法案を出しているということをおそらく知っていただいていないということだと思うんです。我々、実は去年の12月に、まさにその部分の法案を出しまして、いわゆる特定感染症というようなカテゴリーで、その方々の上陸を拒否するということを、要はおっしゃられたようにテロリスト扱いということじゃなく、ちゃんと上陸拒否事由の中に感染症を追加する。こういう法案を立憲民主党が各野党と一緒に出しているんです。だから、ある意味、私が代表選でお話ししたように、そういうところをちゃんと国民の皆さんにお伝えをして、ただ、国会の中で出して、あとはテレビで取り上げられる与野党激突ばかりが前面に立ってしまわずに、ちゃんと出しているよということ、もっと伝える必要があるんだろうなと今、実感いたしました。

菅原

失礼いたしました。

末延

いやそれは、(立憲の)メディア対策が弱いからです。それは問題があります。日本のメディアは、政局ばかりと言われますが、確かにそういう面はあります。ただ、もうちょっと(積極的に)発信していかないと。

そうですね。

末延

そこはぜひ変えてもらいたいです。

せっかく、まさにご指摘のところは法案に含んでいたので、こういうことをちゃんとやっていますよというのは、ぜひ皆様に、この機会知っていただけたらなと思います。

末延

僕も政治を主に取材するジャーナリストですが、いま聞いて、ああそうという感じですよ。

なるほど、もっと発信を強化いたします。

■「中国の現状変更の試みは許してはならない」

上山

きょうはスタジオの泉新代表に、立憲民主党が政権を担うとしたらという立場で、様々なお話を聞いています。次のテーマは日本の安全保障に対するスタンスを聞いていきたいと思います。まず日本が直面する中国との向き合い方で、今週、注目すべき発言がありました。安倍元総理が1日の講演で、「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある。この認識を習近平国家主席は断じて見誤るべきではない」と指摘しました。

これに対して中国外務省の華春瑩次官補は「中国の内政に乱暴に干渉し、中国の主権を公然と挑発していて断固として反対する」と抗議しています。

泉さんとしましては、立憲民主党が政権を担った時、中国に対してはどういったスタンスでいくのか、厳しくいくのか。この辺りはどういうお考えがありますか。

厳しくいく、例えば、安倍元総理のように色々な場で発言をするということがイコール厳しくということに当たるのかどうかというところはあると思います。色々なところで色々な発言というのはあり得ますし、それがイコール政府の外交姿勢ということではないと思いますが、やはり現状を変えようとする試みですよね。これはやはり許してはならないということでありますし、まさか台湾有事などということは中国にとっても大きな不利益であるということは、当然認識をしていただかなければいけないわけですから、やはり台湾を尊重し、また周辺地域、区域をしっかり安定化させていく。平和と安定を守っていくということは、やはりこれからも我々としては求めていくべきことだと思いますので、中国はやはりそういった意味でも現状変更をしないということが重要ではないかと思います。

上山

末延さんはこの立憲民主党の中国との向き合い方はどんなことを考えていらっしゃいますか?

末延

やっぱり、いまの泉さんの話を聞いていると、お若いのに議員歴が長いからか、そつがないんだけどつまらないです。そういう綺麗事を聞きたいわけじゃないんです。中国問題は、年がまもなく明けたら北京オリンピックの外交ボイコットも含めて、まさに権威主義と民主主義のグループが激突するんです。過去の話ばかり言ってはいけないけど、心配なのは例えば、実力者の小沢一郎さんはやっぱり大代表団を率いてね、中国へ行った。自民党の二階さんもそうだけど、そういう部分を見ると日本は、なんか中国に朝貢しているように見えるわけです。それからもう一つ、忘れちゃいけないけど、中国の漁船が突っ込んできたことがあったでしょう、海上保安庁の船に。あの映像を見た時には、みんなショックを受けた。

あの時は菅(直人)政権の時でしょ?うやむやにして、「超法規的」に処理してしまった。日本が本当に法の支配とか、法治国家としてキチンとしたいなら、現状変更の行動には反対だというのは、台湾の問題も含めてキチンともうちょっと突っ込んで言う覚悟がほしい。安倍元総理がなぜああいう発言をするかと言えばーそれは林さんという親中派の外務大臣を据えたことで、王毅外相が早速、訪中の招待をしてきた。それに対して、その問題を林さんはテレビで自らが発言しているわけですね、招待がありましたと。自民党内でもこれは論争になってるわけですよ。このあたりを含めて、今からお正月を挟んで中国とどう向き合うかは、間違いなく立憲民主党の安全保障観が問われるんです。この前の解散総選挙でね、共産党があまりにも「(限定的な)閣外協力」だと、歴史的なことだと言い過ぎるから、そのことをもって(国民は)怖さを感じてしまったという印象が僕はあると思う。そのあたりの整理をもう一度やって、中国とどう向き合うかの安全保障は相当詰めていかないと、説得力が出てこないんじゃないかというのが、いまお話を伺った印象です。どうですか?

今の映像なんかで言うと、様々な日中関係がある中で、小沢議員の訪中団。そして先ほどの尖閣の衝突の映像等、流れましたが、それだけ見ると当時の民主党だから悪いみたいな話に見えますが、おそらく、この時よりもはるかに尖閣、中国の公船がどんどん日本に入って来ている。それはどうなんだという話は、私は少し、これは不公平かなって気が致しますね。それはそれとして、私も今回、代表選の時には日本版マグ二ツキー法、これは検討するべきだということを提案をさせて頂きました。やはり人権ですとか民主主義ということについてはですね、当然、我々は米国・ヨーロッパと価値観を同じくするわけですから、中国がそれに反するような行動をすれば、当然、我々としても、日本国内でできることをやっていくべきだと、そこは毅然とした姿勢というのは示していくべきだと。

末延

泉さん、その点、確認したいんだけど、いま、自公政権は公明党が親中派ということで、例の超党派での「人権の決議」をやろうと動いてる中で、公明党が後ろ向きで潰れちゃったじゃないですか。あの件は、どういう風にリーダーシップを取ってやっているのですか?

私は当時、政調会長でしたけれども、まさに立憲民主党の中では、対中決議については党内決議を終えましたので、あとは与党さえやってくれれば、その決議が発効したということの中で、むしろ公明党がストップしてしまったということですから、その部分で言えば、与党内がまとまっていない、より中国に対して、その部分での姿勢が弱いんじゃないかと思いますね。

■文書交通費「日割り、返還、使途報告の3点セットで」

末延

ただ、そういう部分もね、目に見えてなかなか伝わってこない。だから例えば、明日から始まる臨時国会で、例の文通費の話、国会議員の文書通信交通費、あれだって維新の会が、立憲民主党が自民党と手を握ったから潰れたっていう風に言っていて、ずーっとネットで流れているわけですよ。だけど実態は違うと、泉さんは言っているんだから、その辺どうなんですか、あれ。これぐらい言ってもらいたいですけどね。

私たちに入ってきた情報というのは、立憲民主党の前執行部の時に、自民党と立憲民主党の国対委員長間で、合意という話があった。しかし、それは党全体の合意というところまでは行っておらず、また他党も合意をしていなかった。我々、立憲民主党はですね、新体制の元でしっかりとこの文通費改革の法案を提出しようということで、日割り、返還、そして使途の報告、この3点セットを明記して、法案を出そうという話をしていたのですが、その中で聞こえてきたのは、自民さんと維新さんが国会内で合意をして、そして日割りでいこうという話になったという情報が来ました。我々も「ん?ハテナ?」と思ったんですが、いやいや、であったとしても、立憲民主党としては法案を出しますよということをお伝えしたら、どうも自民さんと維新さんの合意が崩れたという風に私には伝わってきていますね。

末延

維新が言っているのは、今、ネットなんかに流れているのは、「公開の部分」が自民党はダメなわけですよ。あれは使い道を言わなくていいから、楽だって、掴み金みたいになって、実際は。そのことに国民は怒ってるわけだけど、そこのところが逆に流れているわけですよ。そのへんをもっとはっきりメディアに説明して欲しいし、是非、臨時国会、短いけど、せめてこの問題なんかはやらないと。これまでの国会はね、老獪な(自民党の)森山国対委員長の自民党ペースに全部乗っかって国会が動いてましたよ。そのへんはね野党はしっかりやってもらいたいと思いますよ。

はい、そうですね。しっかり我々立憲民主党もですね、改革政党というのは、単に身を切る改革ということではないと思っていますので、国民の生活に寄り添った改革ですとか、あるいは支え合いのための改革ですとか、当然やはり無駄を省くという改革あると思いますので、そういうところは私たちしっかりやっていきたいなと思いますね。

立憲民主党・無所属会派は7日、文書交通費の日割り、差額国庫返納、使途報告・公開などを義務化する歳費法改正案を衆院に提出しました。日本維新の会も国民民主党と共同で、日割りや使途公開の義務づけを盛り込んだ法案を国会に提出しています。

■日米同盟と安全保障法制どう考えるのか!?

上山

そして安全保障に話を戻したいと思うんですけれども、政権を担うとしたらやはりこの日米安全保障条約、これに対するスタンスというのも非常に重要になってくると思います。菅原さんお願いします。

菅原

はい、遡って見ていきますが、まずは9月末のことです。、立憲民主党と共産党は「限定的な閣外協力」で合意をしました。そして、それに先立って行われた野党4党による政策合意の中では、「安保法制など法律の違憲部分を廃止する」という文言が盛り込まれました。ただ、そもそも共産党は、党の綱領の中では、「日米安保条約の廃棄」、それから自衛隊の解消を唱っています。

一方の立憲民主党は、「日米同盟を基軸とした現実的な安全保障」、これを衆院選の公約に掲げていたわけです。河野さんはこの点どうご覧になっているのか、『アンカーの眼』でお願いします。

河野

要は立憲民主党が言われている「日米同盟を基軸とは?」っていうことなんですよね。安全保障法制ですけれども、あれは複雑な法制ですが、日米同盟という観点からポイントは2つだけなんです。「限定的な集団的自衛権」の行使と、それと平時からアメリカの艦船、飛行機を防護することができる、この2つなんですね。特に「限定的な集団的自衛権」は、これは有事の話ですから、今、現実的には見えてないわけです。米艦、米機の防護は今、現実にやっているんですよ。これは私の現役の時も、アメリカ軍から非常に感謝されました。日本は変わったと。日米同盟は確実に進化したんですよね。おそらく違憲部分というのは、この部分を言われていると思うんですが、ところで、今から台湾海峡問題、朝鮮半島問題、尖閣もありますね。日米同盟を強化しなくてはいけないという時に、「やーめた」という話にして、しかし、尖閣はお願いなんていう話は、やっぱりこれ、どう考えたって辻褄が合わないし、共産党の方がこれを言われるのはわかるんです。安保条約破棄という方向ですから。立憲の政策は日米同盟が基軸ですから、私の頭の中では、これがどうしても繋がらないのです。

上山

いかがでしょうか?

はい、よく我々今回の代表選の討論の中でもですね、日米関係、日米同盟どうするんですか?と聞かれると、各候補は外交ですから、あるいは安全保障ですから、安定的に継続的にとすぐに何かを変えるということではなく、やはり相手国との関係、これをよく見て、現実的に協議できるものは協議していくと言ってきたわけですね。

それに加えてというか、我々の立憲民主党としての解釈ということでいえば、米艦防護はですね、やはりこの日本の自衛官なりが、護衛官なりがですね、やはりその状況において緊急避難的に行うものというのは集団的自衛権ではない、ここが非常にまあギリギリのところですから、何が集団的自衛権で何が個別なのかというところの切り分け非常に難しいんですけれども、我々としてはその緊急避難的なものを真っ向否定しているという政党ではないということですね。ですから、そこはまさに今の訓練の状況ですとか、これから実際、政権を取って見なければわからないと言っても、それは不安になってしまうのかもしれませんけれども、やはり現実、行われていることをしっかり見据えた上で、整合性を取っていこうということは、立憲民主党としてはちゃんと考えています。

河野

現実的にお願いしたいと。

上山

末延さんはいかがですか?

末延

だから辛いのは、立憲民主党は数から言えばね、やっぱり中道より左派の方が多いことですよ。この間の総選挙で思い出すのは、とにかく共産党が張り切っちゃったわけですよ。張り切ってくれたから、自民党が反共攻撃をやった、「立憲共産党」なんてやるわけですよ。その辺はね、やっぱり党の団結を守らなきゃいけないという意味で、泉さん、すごく苦労するんだろうけど、やっぱり安全保障の面でみんな安心するというところが現実論です。今、アンカーの指摘があったように、そこは超現実的に動いてますから、そこら辺は一つ飛び越えていくという覚悟を見せるのがね、要は政権交代に向けて、世の中の人がそこは安心なんだなという安心感を持つ、その上で、みんなの生活のための政策とかを示す、そういうことだろうと思うんです。その辺は、ぜひ超えなきゃいけない、新立憲民主党の一番注目される所だろうと、きょう、ご一緒して、そこだけはちょっとお願いをしたいですね。それで国会で、現実的な安全保障政策の論争を自民党とやってもらいたいわけですよ。そのことで国民の理解も相当進むんだろうと思います。

我々は、国家の防衛、国民の防衛を考えながら、やはり抑制的に、もちろん世界各国、近隣国の情勢を見なければいけませんが、前のめりで相手国を刺激をするというばかりではなく、抑制的で、しかし、国民の安全・平和をちゃんと守れる、そういう体制を作る努力をしていきたいと思いますし、例えば立憲民主党なんかで言えば、領海警備法は作ってですね、海上保安庁の体制の強化をしていくと、そういう法案は作って、国会にも出させて頂いてますので、そういう様々な総合力でですね、ぜひご覧いただければいいかなと思います。

末延

あの現実論でね、ぜひ積み上げてってもらいたいと思いますね。

■「まず立憲民主党、しっかりしろと」

上山

衆院選後の立憲民主党を巡る関係を整理しておきたいと思います。支持団体である連合の芳野(よしの)会長は「立憲民主党と共産党の共闘はありえない」「立憲民主党と国民民主党の合流を求めていきたい」としていました。共産党の志位委員長は「衆院選で掲げた政権協力や共通政策の合意を誠実に順守する立場で次の選挙にも臨む」と一貫して発言。国民民主党の玉木代表は「共産党との関係がべったりしたものであれば連携は難しい」として立憲民主党新代表の路線を注視しています。その国民民主党は日本維新の会と憲法改正など国会運営で連携する姿勢を見せています。

中でも注目されていた連合との関係ですが、泉新体制になって連合会長との初めての会談が3日にありました。泉代表は「連合会長から共産党との連携について言及はなく、参院選に向けて連携を強める」ことで一致し、「国民民主と一緒にやって行きたいと自ら話した」といいます。この発言を見ますと、共産党よりも国民民主党に軸足を移すということなのでしょうか。

どうしてもマスコミさんはですね、あっちとこっちととしたがるわけですけれども、まず私が言っているのは、やはり一つの政党ですから、ちゃんと自分たちの政策をしっかり当然ながら自分の考えを有権者の皆さんにお伝えをしていって、まず自立、自主・自立でやっていくということが最優先であってですね、あそことくっ付く、どことくっ付くというのは最初から想定している政党というのもおかしいんじゃないかと思いますよね。ましてや、今回、一つの戦いを政権選択選挙という形で各野党の皆様にご協力を頂いたわけですね。そこには本当に感謝を協力いただいた政党の皆様にはですね、感謝を申し上げたいと思いますし、一定の成果を出した部分もあったと思う。しかし、立憲民主党としては議席を落としていますので、やはりその上で今、他党とくっ付くとか、くっ付かないとかですね。そんなことを言っている状況ではないと思います。まず立憲民主党、しっかりしろということだと思いますので。

上山

しかし、芳野さんとの会談では「国民民主と一緒にやっていきたい」という形でご自身がおっしゃったわけですよね?これはどういうことですか?

やはり元々、私は兄弟政党、姉妹政党、言い方はどちらでも良いのですが、そういう政党だと思っております。成り立ちは大方の方が旧民主党でありますので、違いを見い出すのか、それとも同じ面をより深めていくのかというところが問われていると思いますので、改めて、どういう政権を作りたいのかということで、お互いに思いが一致するならば、そういうような流れになっていくのかなと思いますし。

上山

そういうような流れというのは?

国民民主党と一緒にやっていくということですね。ただ、これもやっぱり立憲民主党がまず立憲民主党として、支持者の皆様、支持層の皆様に本来、期待される力なり、役割を発揮するということがまず先であってですね、立憲民主党が体力も回復していないのに、どこかの政党に寄りかかるというのは、私は政党の姿としてはおかしいと思いますので。まずやっぱり立憲民主党が特に去年合流をして、立憲民主党も、そしてある意味、中道ですとか、穏健保守と言われる皆様にも訴えることのできる政党として、本来、立憲民主党が今、存在しているはずだと思いますので、やはり、そういった方々にちゃんとした政策をお届けする、お伝えする、これがまず最優先だと思いますね。

上山

末延さんは、立憲民主と国民民主の関係をどのようにご覧になっていますか。

末延

いまの泉さんの話は、僕は正論だと思う。前にもこの番組で言いましたが、二大政党制をやるんだと言って、政治改革をやったわけです。そのための準備ということで、「シャドウキャビネット」が必要で、かつては「ネクストキャビネット」というのをやっていました。そうするとシャドウキャビネットで外務大臣だ、防衛大臣だというのを置いて、各委員会、国会の委員会に対峙する形で政策を日常的に出していく。例えばテレビの討論番組に、影の防衛大臣、影の外務大臣が出て、自分たちの政策を言う。このような地道な積み上げをしない限り、二大政党に向かわない。そのためには特に自治労とかの組合も含めて、地方選でも知事選に相乗りをして楽をするというのはやってはダメなんですね。確実に、非自民の候補者を立てて、二大政党制の足場を全国に作っていく、その地道な努力をまずやる中で、路線の問題というのは出てくる訳です。共産党の存在意義というのはね、『しんぶん赤旗』の取材力とか、色々問題があった時にチェックするのが役目でしょう。野党としての存在感ということですね。

■「党に中長期ビジョン作成を指示」

上山

泉新代表は、2日の会見でこのように話しました、「国民のために働く政策立案型を執行部のカラーにしたい」。この点について菅原さんから。

菅原

私たち30代、20代に関しては、日本の将来どうなるのか、本当に不安を持ってるんですね。そういった中で、「分配」も大事なのですが、中長期的に日本をどうするのか、「成長」戦略はどういうビジョンを持っているのでしょうか。

私はおととい(12月3日)、党に指示をしまして、まず中長期ビジョンを作るべきだということで、教育・経済・外交安全保障・環境エネルギー・社会保障ですね、この5分野について、これから策定をさせて頂こうと思っています。成長戦略ということで言えば、例えばやはり環境分野はもっともっとスピードを上げていくことができるし、個人の生活においても、やはり住宅というのはもっと新しい世代の住宅をもう全国民に普及していくことができるし、それは大きな市場になっていくと思います。例えば断熱性を高めるだとか、あるいは各家庭のソーラーパネルを標準化するだとか、もう蓄電も全部置いていくだとか、そういうことで、おそらく相当、住宅市場は活性化していくだろうと思います。あるいは、やはり全国、応援に回っていても、まだまだ通信環境の良くない地域があります。もうこれからの時代はアフターコロナということで言っても、全国どこに住んでいても大容量の通信が確保できる、そういう分権型のようなものを作っていきたい。そして地域で経済を回していく、そういうような成長戦略をやっていきたいと思いますね。

上山

これからどんどん具体策というのが出てくると思いますが、末延さん、最後短く一言、立憲民主党にどんなメッセージを?

末延

(政治スタンスの)幅が広いから苦労されると思いますが、あまり左の方に引っ張られずに、中道路線で現実的にやってもらいたいですね。

上山

きょうは皆様、ありがとうございました!

(2021年12月5日放送)