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『BS朝日 日曜スクープ』放送内容を動画公開します。 生放送でお伝えするニュース解説を放送終了後、ネットで動画公開します。 もう一度、ご覧になりたい方、見逃してしまった方、是非ともご利用ください。
■『BS朝日 日曜スクープ』5月18日の放送内容は現在、公開中です。 【ロシア・ウクライナ直接協議】3年ぶり再開“即時停戦なく交渉継続”和平の模索は トランプ米大統領は5月16日、貿易政策に関し、「米国と合意したがっている。150カ国すべてと個別に会談することは不可能だ」と述べ、今後2~3週間以内に、各国に対し新たな関税率を通知する方針を明らかにした。トランプ氏は、「米国でビジネスを行うためには、支払う費用について各国に伝えることになる」と発言。新たな関税率の通知については、ベッセント米財務長官らが、書簡形式で各国に送付される見通しとなっている。これにより、交渉を経ることなく、事実上の通達によって関税変更が伝達される形式となる。既に、4月9日には、米国政府が各国との相互関税に関する上乗せ措置について、90日間の停止を発表しており、その期限は7月9日に迫っている。本来であれば、この期間内に個別交渉を進め、各国と合意に至ることが想定されていたが、現時点で、実際に合意に達しているのは英国のみとなっている。 こうした中で、ロシアとウクライナの代表団による直接協議がイスタンブールで行われたのを受け、トランプ大統領は5月17日、ロシアのプーチン大統領と19日午前10時(現地時間)に、電話会談を行う予定であることを明らかにした。トランプ氏は、この会談の目的について、「週平均5000人以上の兵士が命を落としている流血の惨状を終わらせること、そして貿易に関する問題」と述べた。さらに、トランプ氏は、プーチン氏との会談後には、ウクライナのゼレンスキー大統領ともに直接会談する予定であり、その後はゼレンスキー氏と共にNATO加盟国との協議に臨む意向を示した。トランプ氏はSNSの投稿の中で、「願わくは、実りある一日となり、停戦が実現し、この非常に激しい戦争、決して起こるべきではなかった戦争が終結することを」と記し、最後に「神が私たち全員を祝福してくださるように」と祈りを込めた。 5月16日、ロシアとウクライナの代表団が3年ぶりに直接対面する形式で協議を行った。今回の協議は、トランプ氏による停戦圧力の強化を受け、ロシア側が提案し、実現に至ったものとされる。協議の場所に選ばれたのは、3年前と同じ地となるイスタンブールで、トルコ政府が仲介役を担った。会場に着席した両国の代表団には、服装に象徴的な対照が見られた。ウクライナ代表団の半数以上が軍服姿で臨んだのに対し、ロシア側は全員がスーツを着用。軍事色の強いメッセージを発信するウクライナと、対照的に、ロシア側は「外交的演出」を意識したものと見られた。また、使用された言語も、過去との違いを際立たせた。2022年の協議では、ロシア語で直接対話が行われたが、今回はウクライナ語も使われ、双方が通訳を通じて、意思疎通を図る形式に変更された。 協議の焦点となったのは「停戦」の是非とその条件となった。ウクライナ側は「無条件の停戦」を強く求めたが、ロシア側はこれを拒否。ロシア側は停戦の条件として、ウクライナ軍がロシア軍の未制圧地域からも撤退すること、クリミア半島を正式にロシア領と認めること、の2点を提示した。さらに協議中、ロシア側がウクライナ北東部のハルキウ州およびスムイ州を「新たに占領する可能性がある」との警告を発したとの情報も浮上している。ロシアとウクライナの代表団による直接協議が行われたことを受け、ロシア代表団は協議終了後、「結果には満足している」との認識を示した。その上で、今回の会談で合意に至った主要な3項目の内容を明らかにした。第1に、近日中に実施される見通しとなったのは、1000人対1000人という大規模な捕虜交換。第2に、ウクライナ側は首脳間による直接会談の開催を正式に要請。ロシア側はこの要請について検討を進めている。第3の合意事項は、将来的な停戦の可能性について明文化し、詳細なビジョンとして文書にまとめることで合意した。これらの文書が相互に提示された後、継続的な交渉を行うことが「適切である」との認識を共有した。 トランプ氏は中東歴訪の途上で、両国の直接協議への関与の可能性について相次いで言及し、「参加する可能性がある」と語り、外交的な波紋を広げた。5月11日、ホワイトハウスを中東に向けて出発する際、トランプ氏は「私はトルコに飛んで行くことを考えていた」と発言し、協議への出席を示唆。以降の発言は、歴訪先ごとに変化を見せ、発言のブレが注目された。14日には、サウジアラビアからカタールへ向かう大統領専用機内では「彼(プーチン大統領)は私がそこにいることを望んでいるだろうし、それも可能性のひとつだ」と語り、プーチン氏との共演を自ら演出するかのような言及を行った。15日、カタール・ドーハでは「(イスタンブールへ)行くことを考えていたが、非常に厳しい。もし何かあって適切なら16日に(トルコに)行くだろう」と語り、態度は一時的に後退したものの、同日、アラブ首長国連邦(UAE)へ向かう大統領専用機内では、「私とプーチン氏が会うまで何も起こらない。私が行かなければプーチン氏も行かない」と強調。協議の成否が自身の動向にかかっているかのような姿勢を示した。16日、UAEから帰国の途につく大統領専用機内では、「私たちは会わなければならない。私は彼(プーチン氏)と会うつもりだ」と述べ、再び協議参加への意欲を滲ませた。 欧州連合(EU)は、ロシアの対ウクライナ侵攻を巡る対応として、新たな対ロ制裁パッケージの発動に踏み切る構えを強めている。これは、5月16日、アルバニアの首都ティラナで開催された欧州政治共同体首脳会合を受けての動きで、米AP通信によると、早ければ5月20日にも発効する可能性があるとされている。同首脳会合には、ウクライナのゼレンスキー大統領も出席し、欧州各国首脳と活発な意見交換を行った。フォンデアライエン欧州委員長は会合直前に、「ゼレンスキー大統領は一貫して会談の用意があったが、プーチン大統領は一度も会談に出席しなかった。これは彼の真の信念を物語っている」と指摘。その上で、「圧力を強めていく」と述べ、EUとして、新たな制裁措置の準備を進めていることを明らかにした。今回のパッケージには、ロシアと欧州を結ぶ海底ガス・パイプライン「ノルドストリーム」への制裁措置、ロシア金融機関に対する制裁、ロシア産原油価格の上限引き上げなどが盛り込まれる見通しとなっている。トランプ氏は16日放送のFOXニュースのインタビューで、「正直に言って、もしウクライナとロシアが合意に至らないのであれば、制裁を発動する」と明言したうえで、「ロシアにとって痛手となる。経済が苦境に立たされている。原油価格も低迷している」と語り、欧州と足並みを揃えて対ロ制裁を強化する姿勢を示唆した。 ★ゲスト:駒木明義(朝日新聞国際報道部記者)、小谷哲男(明海大学教授) ★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝news ⇒ ANNnewsCH (公開期間は放送から2週間です)
【AI半導体輸出に米警戒】中東経由移転に懸念“米中の技術覇権競争”激化の構図は トランプ米大統領は5月13日より中東3カ国を歴訪し、サウジアラビアおよびアラブ首長国連邦(UAE)との間で、経済・投資両分野における協定を締結した。英ロイター通信によると、歴訪初日の13日、サウジアラビアでは、総額6000億ドル(約87兆円)にのぼる対米投資を引き出し、1420億ドル(約20兆円)相当の武器売却に合意した。会談後、ムハンマド皇太子は、「この投資が最終的には1兆ドル(約145兆円)規模に達しうる」と強調した。米国側もテスラ、グーグル、オラクル、セールスフォース、AMD、ウーバーなど主要企業が今回の中東訪問に随行し、総額800億ドル(約11兆6000億円)の技術投資を表明し、サウジ国内におけるAI産業育成を後押しする姿勢を鮮明にした。米ニュースサイト「ポリティコ」が13日に報じたところによると、特に注目されるのは、米半導体大手「エヌビディア」が表明した「未来のAI工場」のサウジ建設構想。同国の政府系ファンドと共同で進められるAI事業の一環として位置付けられる。さらに、クアルコムやAMDも含めた米ハイテク大手が、サウジアラビアの新AI企業「ヒューメイン」との戦略的提携を発表している。 米国とカタール両政府は、航空機購入やエネルギー分野での協力を柱とする総額2435億ドル(約35兆円)規模の取引に合意した。合意の中核には、カタール国営のカタール航空による米ボーイング社製航空機の大規模発注が含まれており、最大210機の購入が盛り込まれている。トランプ氏は15日、UAEとの間でも2000億ドル(約29兆円)規模の取り引きを発表。米CNNによると、AI半導体の輸出については、エヌビディア製の最先端半導体100万個超の輸入を容認する方向で検討が進められている。UAEは今後10年間で、米国のAI関連などに200兆円以上の投資を確約している。 トランプ氏は中東歴訪の一環としてサウジアラビアを訪問した5月13日、米政権は先に発表していた最先端AI半導体の輸出規制の一部を撤回する方針を発表した。関係者によれば、現行の輸出規制から脱却し、今後は各国・地域との個別交渉による調整へと転換を図る意向があるとされている。バイデン前政権は今年1月、エヌビディア製の高度なAI半導体を中心に、対中抑止を念頭に置いた輸出規制を発表。世界の国・地域を3つのグループに分類し、輸出制限の厳格化を進めていた。このうち「第1グループ」は輸出制限の対象外とされ、日本、韓国、台湾などG7諸国を含む19カ国・地域が該当。一方、「第2グループ」はインドやブラジル、そして今回、トランプ大統領が訪問したサウジアラビアおよびアラブ首長国連邦(UAE)など、約120カ国・地域を対象に、輸出量の制限が設けられていた。さらに、「第3グループ」には、中国、ロシア、北朝鮮、イランなど24カ国・地域が含まれ、これらの国々への輸出は事実上、禁止されている。この新たな規制措置は5月15日の発効を予定していた。 米国から中東湾岸諸国へのAI(人工知能)半導体の輸出をめぐり、米政府内で安全保障上の懸念が高まっている。5月16日付の米ブルームバーグによると、湾岸諸国に供給されたAI半導体が、最終的に中国の軍事・技術的な利益に資する可能性があるとして、一部の米政府当局者が中東との輸出契約の進展を抑制する動きを強めている。懸念の背景には、中国の通信機器大手「ファーウェイ」によるAI半導体の開発加速があるとされている。米商務省は既に、AI半導体「アセンド」をはじめとする、ファーウェイ製AI半導体の使用が確認された場合、例外なく世界各国を対象に、米国の輸出管理規則に違反するとの指針を発表した。 米中間の先端技術を巡る対立はトランプ政権の1期目に端を発する。2018年8月、トランプ氏は国防権限法に署名し、安全保障上の理由から、中国企業との取引制限を法制化。同年12月には、当時のファーウェイの副会長だった孟晩舟氏が、米国の要請によりカナダで逮捕され、米中関係は一気に緊張を高めた。その後も、米国はファーウェイに対し、電子部品やソフトウエアの輸出を禁止する規制・制裁措置を継続している。4月27日付の米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、ファーウェイが最高性能を誇るAIチップ「アセンド910D」の試験を開始したと報道。同チップは、米エヌビディア社のハイエンド製品「H100」を上回る性能を目指して設計されている。さらに、中国政府は、自国AI開発企業に対して、国産チップの購入を奨励しており、国家戦略としての技術的な自立を加速させている。 ★ゲスト:小谷哲男(明海大学教授)、鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授) ★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝news ⇒ ANNnewsCH (公開期間は放送から2週間です)
■『BS朝日 日曜スクープ』5月11日の放送内容は現在、公開中です。 【スイスで米中貿易協議】トランプ氏投稿“大きな進展”緊張緩和と関税引き下げは? 米中両国の高官級による通商協議が5月10日、スイス・ジュネーブで始まった。協議は11日までの2日間にわたり、スイス国連代表部大使公邸で行われた。初日の協議は10時間以上に及んだが、交渉を終えた両代表団は会場を後にする際、記者団の問いかけに一切応じなかった。詳細については依然として明らかにされていない。初日の協議終了後、トランプ大統領は10日、自身のSNSで、「本日スイスで中国との非常に良い会談が行われた。多くの点について議論し、多くの点で合意に至った」と、友好的でありながら建設的な方法で全面的な見直しが行われたことを評価したうえで、「中国と米国双方の利益のために中国が米国企業に門戸を開くことを期待している。大きな進展があった」と期待感を示した。 同協議には、米国からベッセント財務長官と米通商代表部(USTR)のグリア代表、中国からは何立峰副首相が出席した。今回の協議は、長期にわたり膠着状態にあった米中の関税対立の打開に向けた初の本格的な対話と位置付けられており、注目の焦点は、関税の一時停止または段階的な引き下げの可能性に集まった。また、米国内で深刻な社会問題となっている合成麻薬「フェンタニル」の拡散を受け、米国側は中国に対し、撲滅に向けた取り締まりの強化と情報共有の一層の協力を求めている。協議には中国側から王小洪公安相が派遣され、米側の対中要望に直接対応する姿勢が示された。このほか、米国製品及び農産物の中国市場への再参入、知的財産権の保護強化といった懸案事項も含まれ、広範な経済分野にわたる議論が交わされた。協議の前日、トランプ大統領は自身のSNSに「対中関税の80%は妥当に思える。スコット・ベッセント次第だ」と投稿した。 何立峰副首相が、米中通商協議の中国代表として、米側高官との直接対話に臨んだ。1955年、広東省興寧で生まれた何氏は、福建省の厦門大学で財政学を専攻。福建省厦門市で副市長を務めていた習氏の下で働いた経歴を持ち、習氏の厚い信頼を受けているとされる。2017年から2023年にかけては、経済・社会の発展に関する政策研究、立案等を担う国家発展改革委員会の主任を務めた。2023年に副首相に昇格して以降は、特に経済、金融問題を統括している。 米中間の通商協議を巡り、どちらが先に歩み寄りの姿勢を示したのかについて、両国の主張が真っ向から対立した。トランプ氏は4月23日、「米中当局者は毎日、貿易協議に取り組んでいる」と述べ、両国間の関税を巡る交渉が進展しているとの認識を示した。これに対し、中国外務省は「それはフェイクニュースだ」と断言し、全面的に否定した。さらに、トランプ氏は25日、米誌「TIME」のインタビューで、「習近平国家主席から電話があった」と主張した。28日には中国側が再び強く反論。中国側は、「中国と米国は関税問題に関する協議や交渉を行われていない」と述べ、米側の発言を明確に否定した。スイスでの米中協議が開催されることが発表された5月7日には、中国外務省の林剣報道官が会見で、「米国側は最近、繰り返し中国との交渉を望む意向を示しており、今回の会談は米国側の要請で行うものだ」と述べ、米国主導であることを強調した。 米国と英国の両政府は5月8日、2国間の貿易協定を締結することに合意したと発表した。協定には、農産物や製造品に対する関税の緩和が盛り込まれた。トランプ大統領は、「この協定で、米国の輸出品は数十億ドルに拡大する。特に農業分野では、米国産の牛肉やエタノールなど、優れた米国農家の製品のアクセスが劇的に拡大する」と意義を強調した。今回の協定により、英国政府は米国製品に対して課していた平均5.1%の関税を1.8%に引き下げる。また、米国は英国製自動車に対する関税を、現行の27.5%から10%に引き下げる措置を導入した。ただし、この自動車関税の緩和措置には、年間10万台を上限とする数量制限が設けられた。鉄鋼およびアルミニウム製品に課していた25%の追加関税は、撤廃する方針とされている。一方、欧州連合(EU)の欧州委員会は5月8日、トランプ政権が課す関税に対抗するため、最大950億ユーロ(約15.5兆円)相当の米国輸入品を対象とした報復措置を提案した。対象品は米国産のワイン、バーボンなど蒸留酒、水産物、航空機、自動車や部品、化学製品、電気機器、健康製品、機械などがあげられている。 ★ゲスト:柯隆(東京財団政策研究所主席研究員)、峯村健司(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員) ★アンカー:杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝news ⇒ ANNnewsCH (公開期間は放送から2週間です)
【ロシア戦勝80年】友好国と結束誇示“ウクライナに直接協議提案”プーチン氏思惑 プーチン大統領は5月10日、ウクライナとの停戦に向けた直接協議を、今月15日にトルコ・イスタンブールで開催することを提案した。プーチン氏は、「2022年に交渉を打ち切ったのはロシアではなくウクライナだ」と主張した上で、「我々は、ウクライナが前提条件なしでの対話再開に応じることを提案する。新たな停戦合意の可能性も排除しない」と述べ、和平への一定の前向きな姿勢を示した。この発言に先立ち、ウクライナのゼレンスキー大統領は欧州4カ国の首脳とキーウで会談を行い、ロシアに対して少なくとも30日間の無条件停戦を求めた。欧州首脳は、ロシアに対して、停戦合意を破った場合、大規模な追加制裁を科す構えであることを警告しおり、トランプ大統領もこれに同意したとされている。 第2次世界大戦における旧ソ連のナチス・ドイツに対する勝利から80周年を迎え、ロシアは5月9日、首都モスクワの赤の広場で盛大な戦勝記念式典を開催した。この歴史的な節目に、20カ国以上の国家首脳が招待され、中国の習近平国家主席を「主賓」として迎えた。式典には、習氏のほか、ベラルーシのルカシェンコ大統領、ブラジルのルラ大統領、親ロシア的立場で知られるスロバキアのフィツォ首相、エジプトのシシ大統領らが名を連ねた。各国首脳は、プーチン大統領と握手を交わし、厳粛な雰囲気の中でパレードを見守った。習氏は、プーチン氏と共に入場し、隣席に座るなど、主賓としての厚遇が際立った。 過去の戦勝記念式典を振り返れば、2022年のウクライナ侵攻開始以降、外国首脳の参加は大きく変動してきた。2022年には外国首脳の出席は皆無だったが、2023年にはカザフスタンやアルメニアなど旧ソ連構成国の首脳が参加。2024年にはベラルーシやカザフスタンを含む9カ国の首脳が出席した。今年の式典では、20カ国以上という異例の規模での招待が実現し、ロシアは、戦勝80周年を国際的な舞台で盛大に祝った。また、2005年の戦勝60周年では、当時、米国のブッシュ大統領、日本の小泉純一郎総理、欧州主要国の首脳らが参加した。しかし、2014年のクリミア併合を機に、2015年の戦勝70周年では、米国、英国、日本など西側主要国が抗議の欠席を表明した。 今回の式典の軍事パレードでは、約1万1000人の兵士が参加し、うち約1500人がウクライナでの戦闘経験者だった。軍用車両は183台が展示され、ウクライナ侵攻前の水準とほぼ同等となった。2022年以降、ウクライナ侵攻の影響で、参加兵士や軍事装備・軍用車両の数は減少傾向にあった。今回、ウクライナ侵攻で使用されている戦闘用ドローンが公開された。イラン製自爆ドローン「シャヘド」を基にロシア国内で製造され、「ゲラン」と名付けられた自爆ドローンは、エネルギー施設などの攻撃に使用されている。また、「ランセット」と呼ばれる徘徊型兵器は、攻撃と偵察の双方に対応し、ウクライナの戦車や軍用機の破壊に投入されている。これらの最新兵器の展示は、ロシアの軍事技術と戦場での実績を誇示する狙いがあるとみられる。 プーチン大統領と中国の習近平国家主席は5月8日、戦勝80周年記念式典に先立って首脳会談を行った。習氏は、「国際社会は一国主義と強権、いじめ行為に直面している」と述べ、これに対して、プーチン氏は、「高関税の賦課は常識に反しており、自身に跳ね返るだけだ。一国主義と制裁の乱用に共に反対していく」と述べ、米国に対して中国と足並みを揃える姿勢を強調した。両首脳は共同声明で、「ロシアと中国に対する米国の封じ込め政策に断固として対抗するために連携を強化する」と表明した。ウクライナ問題については、ロシア・ウクライナ戦争の解決には「『根本的原因』を取り除くこと」が必要との見解が示された。「根本的原因」とは、ロシアが一貫して主張するウクライナが北大西洋条約機構(NATO)への加盟を断念する「中立化」、防衛力保持は最低限とする「非軍事化」、また、親欧米路線を放棄する「非ナチ化」を指したものとみられる。 一方、トランプ氏は5月8日、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談で、即時30日間の無条件停戦を要求した。ゼレンスキー氏は「即時に30日間の停戦に入る準備ができている」と応じたが、トランプ氏は自身のSNSで、「停戦が守られない場合、米国とそのパートナーはさらなる制裁を課す」と警告した。 ★ゲスト:峯村健司(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員)、小泉悠(東大先端研准教授) ★アンカー:杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝news ⇒ ANNnewsCH (公開期間は放送から2週間です)
■『BS朝日 日曜スクープ』3月23日の放送内容は現在、公開中です。 【中国に対峙する台湾・金門島】戦跡が物語る“砲撃の記憶”防衛拠点の現実と島民生活 中国福建省の廈門(アモイ)から約5キロの距離に位置する台湾・金門島。人口は約14万人、面積は150平方キロメートルの小さな島で、基幹産業の観光と漁業で発展を遂げてきた。金門島は長年、中国との緊張関係の中で、重要な軍事拠点として機能してきた。最盛期には、約14万人が駐留していたとされる軍隊は、約3000人まで縮小されたが、現在も、島の重要な防衛を担っている。 かつては、砲撃戦が繰り広げられた歴史がある。金門島は1949年の古寧頭戦役、1958年の金門砲戦という2つの戦いの舞台となった。古寧頭戦役では、中国・人民解放軍が金門島に上陸し、蒋介石が率いる国民党軍と激しい戦闘を繰り広げた。この戦いで、国民党軍が防衛の成功を収めた。金門砲戦では、人民解放軍は、金門島に44日間で47万発超の砲弾を撃ち込んだ。島内には、防空壕、砲弾の残骸などの軍事遺構が数多く残されており、戦争の記憶を今に伝えている。 ★ナレーター:佐分千恵 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝news ⇒ ANNnewsCH
■『BS朝日 日曜スクープ』2024年11月17日の放送内容は現在、公開中です。 【熊谷6人殺害その後】遺族が警察の対応を問う裁判“最高裁も上告棄却”不受理の決定 「熊谷6人殺害その後」司法はまたも遺族の訴えを退けた。家族3人の命を奪われた加藤裕希さんは、当時の警察の対応を問題視して裁判を起こしていたが、最高裁が加藤さんの上告を棄却した。 事件が起きたのは2015年9月。ペルー人の男が埼玉県警の熊谷警察署から逃走し、その翌日、熊谷市内で50代の夫婦を殺害した。さらにその後の2日間で、80代の女性を殺害した後、加藤さん宅に侵入し、妻と2人の娘を殺害した。男は一審の裁判員裁判で死刑を言い渡されたものの、控訴審で減刑され無期懲役が確定している。 加藤さんが自ら起こした裁判では、最初の殺人事件が起きたときの埼玉県警の対応を問題にした。県警は熊谷署から逃走中だったペルー人の男を「参考人」として全国に手配していた。しかし、県警は男の逃走を公にせず、防災無線などを用いての注意の呼びかけもないまま、連続殺人に至った。 加藤さんは「最初の殺人事件が起きたとき、埼玉県警が『逃走犯による無差別殺人の可能性がある』と広報していれば、私も妻も警戒を強めて、犯行を防ぐことができた」と訴えた。しかし、1審、控訴審ともに、加藤さんの訴えを退けた。そして今回、最高裁も加藤さんの上告を受理せず、棄却した。 加藤さんは、最高裁が上告を受理しなかったことについて「闘う土俵にも上れず、悔しい」と話している。ご家族の3人には、「気持ちの整理がつかず、裁判の結果を報告できない」という。 ★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝news ⇒ ANNnewsCH
■『BS朝日 日曜スクープ』2023年9月10日の放送内容は現在、公開中です。 【熊谷6人殺害国賠訴訟】上告理由書を提出“警察裁量”不当性の存否◆日曜スクープ◆ 2015年に埼玉県熊谷市で男女6人が殺害された事件で、妻と娘2人の殺害は県警の近隣住民への注意喚起が不十分として、遺族の加藤裕希さん(50)が5日、最高裁判所に上告審として受理することを求める理由書を提出した。今年6月、加藤さんが県に約6400万円の損害賠償を求めた国家賠償請求は、控訴審で棄却されていた。最高裁で上告が受理されて審理の対象となるのは2022年の場合、1.3%の狭き門だった。 訴えによると、当時、埼玉県警は熊谷署から逃走中だったペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者を、最初の殺人事件の「参考人」として全国に手配していた。ジョナタン受刑者の逃走については、加藤さんの事件が起きるまで、埼玉県警は明らかにしていなかった。1審のさいたま地裁は昨年4月、埼玉県警の情報提供に違法性はないとして、原告の訴えを棄却。昨年10月に始まった控訴審では1審と同様、事件の発生について予想可能かどうかという、警察が予め知り得る「予見可能性」、また、その「予見可能性」に基づく「結果回避義務」の存否が争点となったが、東京高裁は今年6月、危険の切迫性を認めながらも、重大事件が発生した初期段階で捜査の状況に応じて、地域住民にどの程度の情報を提供するかは警察の裁量に委ねられている」と判示し、控訴を棄却していた。 加藤さん側が提出した理由書によると、埼玉県警幹部は「屋外の通り魔事件であれば1件発生しただけで連続発生を想定すべきであり、屋内事件であれば2件続けて発生しない限り連続発生を想定できない」とする、いわゆる「1件2件論」を主張する。しかし、加藤さん側は「1件2件論」は警察庁が否定しており、また、裁判例や法律文献もなく、その主張の信用性を吟味することなく、埼玉県警幹部の証言を鵜呑みにした控訴審の判決理由に不備があると訴えている。今回の理由書の提出を受けて、加藤さんは「どうにか公正な判断を司法に求めて、勝訴に向けて頑張っていければとは思います」と現在の心境を語った。 ▽埼玉・熊谷6人殺害事件 2015年9月に、住宅3軒で男女6人が殺害された事件。強盗殺人などの罪に問われたナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者は2018年3月、1審・さいたま地裁で死刑判決。東京高裁は19年12月、心神耗弱を理由に1審判決を破棄、無期懲役を言い渡した。検察側は上告を見送った。最高裁が20年9月、無罪を主張する弁護側の上告を棄却、無期懲役の高裁判決が確定した。
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■『BS朝日 日曜スクープ』2023年8月13日の放送内容は現在、公開中です。 【玉本英子ルポ破壊された街】砲撃の連続で“民間人犠牲”戦禍の現実◆日曜スクープ◆ 遠方から砲声が鳴り響き、砲弾が降り注ぐ街で、殺戮と破壊の連鎖が続く。ジャーナリスト・玉本英子氏(アジアプレス)は、今年5月初旬にウクライナに入った。ザポリージャ州南部の戦闘地域から約7キロ離れたオリヒウ市内は、ロシア軍による砲撃と大型爆弾の投下で、住宅や学校などが無残に破壊されていた。約9割の住民が避難で街を離れたが、約200人が避難する学校を取材した玉本氏は、戦争の理不尽に耐えながら生活を余儀なくされる住民の苦難を目撃する。玉本氏が取材した翌月、ウクライナ軍は、このオリヒウを拠点に、大規模反転攻勢に着手した。また、昨年8月、玉本氏は南部ヘルソン州での取材で、ウクライナ軍の隊長と出会った。だが、今回の取材中、玉本氏に悲報が届く。激戦地バフムトに転戦した隊長は、塹壕で砲弾を受け亡くなった。ジャーナリスト・玉本英子氏は今回の取材を通じて、戦禍の日常と現実にどう向き合ったのか。ロシアの侵略により、市民が受けた痛苦と不条理を伝える。 ★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス) ★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝news ⇒ ANNnewsCH 【ウクライナ玉本英子ルポ①】南部“最前線の街”激化するロシア砲撃◆日曜スクープ◆ ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。南部ザポリージャ州のオリヒウでは今年5月、ロシア軍による砲撃が絶え間なく続いていた。戦闘地域から7キロの“最前線の街”だ。取材の翌月には、ウクライナ軍がこのオリヒウを拠点に、反転攻勢に着手している。玉本氏が取材した時点でも、学校や住宅など、至るところに砲撃の跡があり、高齢者ら、避難できなかった住民が、数少ない残った建物に身を寄せていた。そこで住民たちが祈っていたことは…。さらに玉本氏は、複数のウクライナ軍の検問所を通過し、戦闘地域により近いマラ・トクマチカにも向かった。 ★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス) ★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝news ⇒ ANNnewsCH 【ウクライナ玉本英子ルポ②】ヘルソン州“奪還”後も苦難…庭に砲弾◆日曜スクープ◆ ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。ヘルソン州のドニプロ川西岸からロシア軍が撤退したのは去年11月。玉本氏は今年5月にヘルソン市内を訪れたが、ロシア軍からの砲撃が続き、市内の人影は少ない。玉本氏は、ロシア軍撤退前の去年8月、ヘルソン市郊外の集落を取材しており、今年6月に再訪すると、避難していた住民の一部が帰還していた。しかし、庭先には砲弾が残り、電気や水道などのインフラも復旧はこれからだ。さらに、取材中の玉本氏に悲報が届いた。去年8月の取材を受け入れたウクライナ軍の隊長が激戦地バフムトに転戦し、戦死したのだ…。 ★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス) ★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝news ⇒ ANNnewsCH 【ウクライナ玉本英子ルポ③】集合住宅まで崩壊…起きなかった奇跡◆日曜スクープ◆ ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。ウクライナ中部の都市ウマニは今年4月末、集合住宅がロシア軍のミサイル攻撃を受けて崩落した。午前4時の攻撃で、子ども6人を含む23人が命を奪われている。その翌月、玉本氏が現地を訪れると、犠牲者23人の写真が掲げられ、多くの子どもたちが友達の写真を見つめていた。6階に住んでいたヘレナさん(53)は、娘夫婦と暮らしていたと言う。ヘレナさんは、別の部屋で寝ていた娘夫婦の無事を祈り、奇跡を願ったのだが…。 ★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス) ★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員) 放送内容の動画はこちらからご覧いただけます。 ⇒ テレ朝news ⇒ ANNnewsCH
『BS朝日 日曜スクープ』放送内容を動画公開します。
生放送でお伝えするニュース解説を放送終了後、ネットで動画公開します。
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■『BS朝日 日曜スクープ』5月18日の放送内容は現在、公開中です。
【ロシア・ウクライナ直接協議】3年ぶり再開“即時停戦なく交渉継続”和平の模索は
トランプ米大統領は5月16日、貿易政策に関し、「米国と合意したがっている。150カ国すべてと個別に会談することは不可能だ」と述べ、今後2~3週間以内に、各国に対し新たな関税率を通知する方針を明らかにした。トランプ氏は、「米国でビジネスを行うためには、支払う費用について各国に伝えることになる」と発言。新たな関税率の通知については、ベッセント米財務長官らが、書簡形式で各国に送付される見通しとなっている。これにより、交渉を経ることなく、事実上の通達によって関税変更が伝達される形式となる。既に、4月9日には、米国政府が各国との相互関税に関する上乗せ措置について、90日間の停止を発表しており、その期限は7月9日に迫っている。本来であれば、この期間内に個別交渉を進め、各国と合意に至ることが想定されていたが、現時点で、実際に合意に達しているのは英国のみとなっている。
こうした中で、ロシアとウクライナの代表団による直接協議がイスタンブールで行われたのを受け、トランプ大統領は5月17日、ロシアのプーチン大統領と19日午前10時(現地時間)に、電話会談を行う予定であることを明らかにした。トランプ氏は、この会談の目的について、「週平均5000人以上の兵士が命を落としている流血の惨状を終わらせること、そして貿易に関する問題」と述べた。さらに、トランプ氏は、プーチン氏との会談後には、ウクライナのゼレンスキー大統領ともに直接会談する予定であり、その後はゼレンスキー氏と共にNATO加盟国との協議に臨む意向を示した。トランプ氏はSNSの投稿の中で、「願わくは、実りある一日となり、停戦が実現し、この非常に激しい戦争、決して起こるべきではなかった戦争が終結することを」と記し、最後に「神が私たち全員を祝福してくださるように」と祈りを込めた。
5月16日、ロシアとウクライナの代表団が3年ぶりに直接対面する形式で協議を行った。今回の協議は、トランプ氏による停戦圧力の強化を受け、ロシア側が提案し、実現に至ったものとされる。協議の場所に選ばれたのは、3年前と同じ地となるイスタンブールで、トルコ政府が仲介役を担った。会場に着席した両国の代表団には、服装に象徴的な対照が見られた。ウクライナ代表団の半数以上が軍服姿で臨んだのに対し、ロシア側は全員がスーツを着用。軍事色の強いメッセージを発信するウクライナと、対照的に、ロシア側は「外交的演出」を意識したものと見られた。また、使用された言語も、過去との違いを際立たせた。2022年の協議では、ロシア語で直接対話が行われたが、今回はウクライナ語も使われ、双方が通訳を通じて、意思疎通を図る形式に変更された。
協議の焦点となったのは「停戦」の是非とその条件となった。ウクライナ側は「無条件の停戦」を強く求めたが、ロシア側はこれを拒否。ロシア側は停戦の条件として、ウクライナ軍がロシア軍の未制圧地域からも撤退すること、クリミア半島を正式にロシア領と認めること、の2点を提示した。さらに協議中、ロシア側がウクライナ北東部のハルキウ州およびスムイ州を「新たに占領する可能性がある」との警告を発したとの情報も浮上している。ロシアとウクライナの代表団による直接協議が行われたことを受け、ロシア代表団は協議終了後、「結果には満足している」との認識を示した。その上で、今回の会談で合意に至った主要な3項目の内容を明らかにした。第1に、近日中に実施される見通しとなったのは、1000人対1000人という大規模な捕虜交換。第2に、ウクライナ側は首脳間による直接会談の開催を正式に要請。ロシア側はこの要請について検討を進めている。第3の合意事項は、将来的な停戦の可能性について明文化し、詳細なビジョンとして文書にまとめることで合意した。これらの文書が相互に提示された後、継続的な交渉を行うことが「適切である」との認識を共有した。
トランプ氏は中東歴訪の途上で、両国の直接協議への関与の可能性について相次いで言及し、「参加する可能性がある」と語り、外交的な波紋を広げた。5月11日、ホワイトハウスを中東に向けて出発する際、トランプ氏は「私はトルコに飛んで行くことを考えていた」と発言し、協議への出席を示唆。以降の発言は、歴訪先ごとに変化を見せ、発言のブレが注目された。14日には、サウジアラビアからカタールへ向かう大統領専用機内では「彼(プーチン大統領)は私がそこにいることを望んでいるだろうし、それも可能性のひとつだ」と語り、プーチン氏との共演を自ら演出するかのような言及を行った。15日、カタール・ドーハでは「(イスタンブールへ)行くことを考えていたが、非常に厳しい。もし何かあって適切なら16日に(トルコに)行くだろう」と語り、態度は一時的に後退したものの、同日、アラブ首長国連邦(UAE)へ向かう大統領専用機内では、「私とプーチン氏が会うまで何も起こらない。私が行かなければプーチン氏も行かない」と強調。協議の成否が自身の動向にかかっているかのような姿勢を示した。16日、UAEから帰国の途につく大統領専用機内では、「私たちは会わなければならない。私は彼(プーチン氏)と会うつもりだ」と述べ、再び協議参加への意欲を滲ませた。
欧州連合(EU)は、ロシアの対ウクライナ侵攻を巡る対応として、新たな対ロ制裁パッケージの発動に踏み切る構えを強めている。これは、5月16日、アルバニアの首都ティラナで開催された欧州政治共同体首脳会合を受けての動きで、米AP通信によると、早ければ5月20日にも発効する可能性があるとされている。同首脳会合には、ウクライナのゼレンスキー大統領も出席し、欧州各国首脳と活発な意見交換を行った。フォンデアライエン欧州委員長は会合直前に、「ゼレンスキー大統領は一貫して会談の用意があったが、プーチン大統領は一度も会談に出席しなかった。これは彼の真の信念を物語っている」と指摘。その上で、「圧力を強めていく」と述べ、EUとして、新たな制裁措置の準備を進めていることを明らかにした。今回のパッケージには、ロシアと欧州を結ぶ海底ガス・パイプライン「ノルドストリーム」への制裁措置、ロシア金融機関に対する制裁、ロシア産原油価格の上限引き上げなどが盛り込まれる見通しとなっている。トランプ氏は16日放送のFOXニュースのインタビューで、「正直に言って、もしウクライナとロシアが合意に至らないのであれば、制裁を発動する」と明言したうえで、「ロシアにとって痛手となる。経済が苦境に立たされている。原油価格も低迷している」と語り、欧州と足並みを揃えて対ロ制裁を強化する姿勢を示唆した。
★ゲスト:駒木明義(朝日新聞国際報道部記者)、小谷哲男(明海大学教授)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)
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【AI半導体輸出に米警戒】中東経由移転に懸念“米中の技術覇権競争”激化の構図は
トランプ米大統領は5月13日より中東3カ国を歴訪し、サウジアラビアおよびアラブ首長国連邦(UAE)との間で、経済・投資両分野における協定を締結した。英ロイター通信によると、歴訪初日の13日、サウジアラビアでは、総額6000億ドル(約87兆円)にのぼる対米投資を引き出し、1420億ドル(約20兆円)相当の武器売却に合意した。会談後、ムハンマド皇太子は、「この投資が最終的には1兆ドル(約145兆円)規模に達しうる」と強調した。米国側もテスラ、グーグル、オラクル、セールスフォース、AMD、ウーバーなど主要企業が今回の中東訪問に随行し、総額800億ドル(約11兆6000億円)の技術投資を表明し、サウジ国内におけるAI産業育成を後押しする姿勢を鮮明にした。米ニュースサイト「ポリティコ」が13日に報じたところによると、特に注目されるのは、米半導体大手「エヌビディア」が表明した「未来のAI工場」のサウジ建設構想。同国の政府系ファンドと共同で進められるAI事業の一環として位置付けられる。さらに、クアルコムやAMDも含めた米ハイテク大手が、サウジアラビアの新AI企業「ヒューメイン」との戦略的提携を発表している。
米国とカタール両政府は、航空機購入やエネルギー分野での協力を柱とする総額2435億ドル(約35兆円)規模の取引に合意した。合意の中核には、カタール国営のカタール航空による米ボーイング社製航空機の大規模発注が含まれており、最大210機の購入が盛り込まれている。トランプ氏は15日、UAEとの間でも2000億ドル(約29兆円)規模の取り引きを発表。米CNNによると、AI半導体の輸出については、エヌビディア製の最先端半導体100万個超の輸入を容認する方向で検討が進められている。UAEは今後10年間で、米国のAI関連などに200兆円以上の投資を確約している。
トランプ氏は中東歴訪の一環としてサウジアラビアを訪問した5月13日、米政権は先に発表していた最先端AI半導体の輸出規制の一部を撤回する方針を発表した。関係者によれば、現行の輸出規制から脱却し、今後は各国・地域との個別交渉による調整へと転換を図る意向があるとされている。バイデン前政権は今年1月、エヌビディア製の高度なAI半導体を中心に、対中抑止を念頭に置いた輸出規制を発表。世界の国・地域を3つのグループに分類し、輸出制限の厳格化を進めていた。このうち「第1グループ」は輸出制限の対象外とされ、日本、韓国、台湾などG7諸国を含む19カ国・地域が該当。一方、「第2グループ」はインドやブラジル、そして今回、トランプ大統領が訪問したサウジアラビアおよびアラブ首長国連邦(UAE)など、約120カ国・地域を対象に、輸出量の制限が設けられていた。さらに、「第3グループ」には、中国、ロシア、北朝鮮、イランなど24カ国・地域が含まれ、これらの国々への輸出は事実上、禁止されている。この新たな規制措置は5月15日の発効を予定していた。
米国から中東湾岸諸国へのAI(人工知能)半導体の輸出をめぐり、米政府内で安全保障上の懸念が高まっている。5月16日付の米ブルームバーグによると、湾岸諸国に供給されたAI半導体が、最終的に中国の軍事・技術的な利益に資する可能性があるとして、一部の米政府当局者が中東との輸出契約の進展を抑制する動きを強めている。懸念の背景には、中国の通信機器大手「ファーウェイ」によるAI半導体の開発加速があるとされている。米商務省は既に、AI半導体「アセンド」をはじめとする、ファーウェイ製AI半導体の使用が確認された場合、例外なく世界各国を対象に、米国の輸出管理規則に違反するとの指針を発表した。
米中間の先端技術を巡る対立はトランプ政権の1期目に端を発する。2018年8月、トランプ氏は国防権限法に署名し、安全保障上の理由から、中国企業との取引制限を法制化。同年12月には、当時のファーウェイの副会長だった孟晩舟氏が、米国の要請によりカナダで逮捕され、米中関係は一気に緊張を高めた。その後も、米国はファーウェイに対し、電子部品やソフトウエアの輸出を禁止する規制・制裁措置を継続している。4月27日付の米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、ファーウェイが最高性能を誇るAIチップ「アセンド910D」の試験を開始したと報道。同チップは、米エヌビディア社のハイエンド製品「H100」を上回る性能を目指して設計されている。さらに、中国政府は、自国AI開発企業に対して、国産チップの購入を奨励しており、国家戦略としての技術的な自立を加速させている。
★ゲスト:小谷哲男(明海大学教授)、鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)
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■『BS朝日 日曜スクープ』5月11日の放送内容は現在、公開中です。
【スイスで米中貿易協議】トランプ氏投稿“大きな進展”緊張緩和と関税引き下げは?
米中両国の高官級による通商協議が5月10日、スイス・ジュネーブで始まった。協議は11日までの2日間にわたり、スイス国連代表部大使公邸で行われた。初日の協議は10時間以上に及んだが、交渉を終えた両代表団は会場を後にする際、記者団の問いかけに一切応じなかった。詳細については依然として明らかにされていない。初日の協議終了後、トランプ大統領は10日、自身のSNSで、「本日スイスで中国との非常に良い会談が行われた。多くの点について議論し、多くの点で合意に至った」と、友好的でありながら建設的な方法で全面的な見直しが行われたことを評価したうえで、「中国と米国双方の利益のために中国が米国企業に門戸を開くことを期待している。大きな進展があった」と期待感を示した。
同協議には、米国からベッセント財務長官と米通商代表部(USTR)のグリア代表、中国からは何立峰副首相が出席した。今回の協議は、長期にわたり膠着状態にあった米中の関税対立の打開に向けた初の本格的な対話と位置付けられており、注目の焦点は、関税の一時停止または段階的な引き下げの可能性に集まった。また、米国内で深刻な社会問題となっている合成麻薬「フェンタニル」の拡散を受け、米国側は中国に対し、撲滅に向けた取り締まりの強化と情報共有の一層の協力を求めている。協議には中国側から王小洪公安相が派遣され、米側の対中要望に直接対応する姿勢が示された。このほか、米国製品及び農産物の中国市場への再参入、知的財産権の保護強化といった懸案事項も含まれ、広範な経済分野にわたる議論が交わされた。協議の前日、トランプ大統領は自身のSNSに「対中関税の80%は妥当に思える。スコット・ベッセント次第だ」と投稿した。
何立峰副首相が、米中通商協議の中国代表として、米側高官との直接対話に臨んだ。1955年、広東省興寧で生まれた何氏は、福建省の厦門大学で財政学を専攻。福建省厦門市で副市長を務めていた習氏の下で働いた経歴を持ち、習氏の厚い信頼を受けているとされる。2017年から2023年にかけては、経済・社会の発展に関する政策研究、立案等を担う国家発展改革委員会の主任を務めた。2023年に副首相に昇格して以降は、特に経済、金融問題を統括している。
米中間の通商協議を巡り、どちらが先に歩み寄りの姿勢を示したのかについて、両国の主張が真っ向から対立した。トランプ氏は4月23日、「米中当局者は毎日、貿易協議に取り組んでいる」と述べ、両国間の関税を巡る交渉が進展しているとの認識を示した。これに対し、中国外務省は「それはフェイクニュースだ」と断言し、全面的に否定した。さらに、トランプ氏は25日、米誌「TIME」のインタビューで、「習近平国家主席から電話があった」と主張した。28日には中国側が再び強く反論。中国側は、「中国と米国は関税問題に関する協議や交渉を行われていない」と述べ、米側の発言を明確に否定した。スイスでの米中協議が開催されることが発表された5月7日には、中国外務省の林剣報道官が会見で、「米国側は最近、繰り返し中国との交渉を望む意向を示しており、今回の会談は米国側の要請で行うものだ」と述べ、米国主導であることを強調した。
米国と英国の両政府は5月8日、2国間の貿易協定を締結することに合意したと発表した。協定には、農産物や製造品に対する関税の緩和が盛り込まれた。トランプ大統領は、「この協定で、米国の輸出品は数十億ドルに拡大する。特に農業分野では、米国産の牛肉やエタノールなど、優れた米国農家の製品のアクセスが劇的に拡大する」と意義を強調した。今回の協定により、英国政府は米国製品に対して課していた平均5.1%の関税を1.8%に引き下げる。また、米国は英国製自動車に対する関税を、現行の27.5%から10%に引き下げる措置を導入した。ただし、この自動車関税の緩和措置には、年間10万台を上限とする数量制限が設けられた。鉄鋼およびアルミニウム製品に課していた25%の追加関税は、撤廃する方針とされている。一方、欧州連合(EU)の欧州委員会は5月8日、トランプ政権が課す関税に対抗するため、最大950億ユーロ(約15.5兆円)相当の米国輸入品を対象とした報復措置を提案した。対象品は米国産のワイン、バーボンなど蒸留酒、水産物、航空機、自動車や部品、化学製品、電気機器、健康製品、機械などがあげられている。
★ゲスト:柯隆(東京財団政策研究所主席研究員)、峯村健司(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員)
★アンカー:杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長)
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【ロシア戦勝80年】友好国と結束誇示“ウクライナに直接協議提案”プーチン氏思惑
プーチン大統領は5月10日、ウクライナとの停戦に向けた直接協議を、今月15日にトルコ・イスタンブールで開催することを提案した。プーチン氏は、「2022年に交渉を打ち切ったのはロシアではなくウクライナだ」と主張した上で、「我々は、ウクライナが前提条件なしでの対話再開に応じることを提案する。新たな停戦合意の可能性も排除しない」と述べ、和平への一定の前向きな姿勢を示した。この発言に先立ち、ウクライナのゼレンスキー大統領は欧州4カ国の首脳とキーウで会談を行い、ロシアに対して少なくとも30日間の無条件停戦を求めた。欧州首脳は、ロシアに対して、停戦合意を破った場合、大規模な追加制裁を科す構えであることを警告しおり、トランプ大統領もこれに同意したとされている。
第2次世界大戦における旧ソ連のナチス・ドイツに対する勝利から80周年を迎え、ロシアは5月9日、首都モスクワの赤の広場で盛大な戦勝記念式典を開催した。この歴史的な節目に、20カ国以上の国家首脳が招待され、中国の習近平国家主席を「主賓」として迎えた。式典には、習氏のほか、ベラルーシのルカシェンコ大統領、ブラジルのルラ大統領、親ロシア的立場で知られるスロバキアのフィツォ首相、エジプトのシシ大統領らが名を連ねた。各国首脳は、プーチン大統領と握手を交わし、厳粛な雰囲気の中でパレードを見守った。習氏は、プーチン氏と共に入場し、隣席に座るなど、主賓としての厚遇が際立った。
過去の戦勝記念式典を振り返れば、2022年のウクライナ侵攻開始以降、外国首脳の参加は大きく変動してきた。2022年には外国首脳の出席は皆無だったが、2023年にはカザフスタンやアルメニアなど旧ソ連構成国の首脳が参加。2024年にはベラルーシやカザフスタンを含む9カ国の首脳が出席した。今年の式典では、20カ国以上という異例の規模での招待が実現し、ロシアは、戦勝80周年を国際的な舞台で盛大に祝った。また、2005年の戦勝60周年では、当時、米国のブッシュ大統領、日本の小泉純一郎総理、欧州主要国の首脳らが参加した。しかし、2014年のクリミア併合を機に、2015年の戦勝70周年では、米国、英国、日本など西側主要国が抗議の欠席を表明した。
今回の式典の軍事パレードでは、約1万1000人の兵士が参加し、うち約1500人がウクライナでの戦闘経験者だった。軍用車両は183台が展示され、ウクライナ侵攻前の水準とほぼ同等となった。2022年以降、ウクライナ侵攻の影響で、参加兵士や軍事装備・軍用車両の数は減少傾向にあった。今回、ウクライナ侵攻で使用されている戦闘用ドローンが公開された。イラン製自爆ドローン「シャヘド」を基にロシア国内で製造され、「ゲラン」と名付けられた自爆ドローンは、エネルギー施設などの攻撃に使用されている。また、「ランセット」と呼ばれる徘徊型兵器は、攻撃と偵察の双方に対応し、ウクライナの戦車や軍用機の破壊に投入されている。これらの最新兵器の展示は、ロシアの軍事技術と戦場での実績を誇示する狙いがあるとみられる。
プーチン大統領と中国の習近平国家主席は5月8日、戦勝80周年記念式典に先立って首脳会談を行った。習氏は、「国際社会は一国主義と強権、いじめ行為に直面している」と述べ、これに対して、プーチン氏は、「高関税の賦課は常識に反しており、自身に跳ね返るだけだ。一国主義と制裁の乱用に共に反対していく」と述べ、米国に対して中国と足並みを揃える姿勢を強調した。両首脳は共同声明で、「ロシアと中国に対する米国の封じ込め政策に断固として対抗するために連携を強化する」と表明した。ウクライナ問題については、ロシア・ウクライナ戦争の解決には「『根本的原因』を取り除くこと」が必要との見解が示された。「根本的原因」とは、ロシアが一貫して主張するウクライナが北大西洋条約機構(NATO)への加盟を断念する「中立化」、防衛力保持は最低限とする「非軍事化」、また、親欧米路線を放棄する「非ナチ化」を指したものとみられる。
一方、トランプ氏は5月8日、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談で、即時30日間の無条件停戦を要求した。ゼレンスキー氏は「即時に30日間の停戦に入る準備ができている」と応じたが、トランプ氏は自身のSNSで、「停戦が守られない場合、米国とそのパートナーはさらなる制裁を課す」と警告した。
★ゲスト:峯村健司(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員)、小泉悠(東大先端研准教授)
★アンカー:杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長)
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■『BS朝日 日曜スクープ』3月23日の放送内容は現在、公開中です。
【中国に対峙する台湾・金門島】戦跡が物語る“砲撃の記憶”防衛拠点の現実と島民生活
中国福建省の廈門(アモイ)から約5キロの距離に位置する台湾・金門島。人口は約14万人、面積は150平方キロメートルの小さな島で、基幹産業の観光と漁業で発展を遂げてきた。金門島は長年、中国との緊張関係の中で、重要な軍事拠点として機能してきた。最盛期には、約14万人が駐留していたとされる軍隊は、約3000人まで縮小されたが、現在も、島の重要な防衛を担っている。
かつては、砲撃戦が繰り広げられた歴史がある。金門島は1949年の古寧頭戦役、1958年の金門砲戦という2つの戦いの舞台となった。古寧頭戦役では、中国・人民解放軍が金門島に上陸し、蒋介石が率いる国民党軍と激しい戦闘を繰り広げた。この戦いで、国民党軍が防衛の成功を収めた。金門砲戦では、人民解放軍は、金門島に44日間で47万発超の砲弾を撃ち込んだ。島内には、防空壕、砲弾の残骸などの軍事遺構が数多く残されており、戦争の記憶を今に伝えている。
★ナレーター:佐分千恵
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■『BS朝日 日曜スクープ』2024年11月17日の放送内容は現在、公開中です。
【熊谷6人殺害その後】遺族が警察の対応を問う裁判“最高裁も上告棄却”不受理の決定
「熊谷6人殺害その後」司法はまたも遺族の訴えを退けた。家族3人の命を奪われた加藤裕希さんは、当時の警察の対応を問題視して裁判を起こしていたが、最高裁が加藤さんの上告を棄却した。
事件が起きたのは2015年9月。ペルー人の男が埼玉県警の熊谷警察署から逃走し、その翌日、熊谷市内で50代の夫婦を殺害した。さらにその後の2日間で、80代の女性を殺害した後、加藤さん宅に侵入し、妻と2人の娘を殺害した。男は一審の裁判員裁判で死刑を言い渡されたものの、控訴審で減刑され無期懲役が確定している。
加藤さんが自ら起こした裁判では、最初の殺人事件が起きたときの埼玉県警の対応を問題にした。県警は熊谷署から逃走中だったペルー人の男を「参考人」として全国に手配していた。しかし、県警は男の逃走を公にせず、防災無線などを用いての注意の呼びかけもないまま、連続殺人に至った。
加藤さんは「最初の殺人事件が起きたとき、埼玉県警が『逃走犯による無差別殺人の可能性がある』と広報していれば、私も妻も警戒を強めて、犯行を防ぐことができた」と訴えた。しかし、1審、控訴審ともに、加藤さんの訴えを退けた。そして今回、最高裁も加藤さんの上告を受理せず、棄却した。
加藤さんは、最高裁が上告を受理しなかったことについて「闘う土俵にも上れず、悔しい」と話している。ご家族の3人には、「気持ちの整理がつかず、裁判の結果を報告できない」という。
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)
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■『BS朝日 日曜スクープ』2023年9月10日の放送内容は現在、公開中です。
【熊谷6人殺害国賠訴訟】上告理由書を提出“警察裁量”不当性の存否◆日曜スクープ◆
2015年に埼玉県熊谷市で男女6人が殺害された事件で、妻と娘2人の殺害は県警の近隣住民への注意喚起が不十分として、遺族の加藤裕希さん(50)が5日、最高裁判所に上告審として受理することを求める理由書を提出した。今年6月、加藤さんが県に約6400万円の損害賠償を求めた国家賠償請求は、控訴審で棄却されていた。最高裁で上告が受理されて審理の対象となるのは2022年の場合、1.3%の狭き門だった。
訴えによると、当時、埼玉県警は熊谷署から逃走中だったペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者を、最初の殺人事件の「参考人」として全国に手配していた。ジョナタン受刑者の逃走については、加藤さんの事件が起きるまで、埼玉県警は明らかにしていなかった。1審のさいたま地裁は昨年4月、埼玉県警の情報提供に違法性はないとして、原告の訴えを棄却。昨年10月に始まった控訴審では1審と同様、事件の発生について予想可能かどうかという、警察が予め知り得る「予見可能性」、また、その「予見可能性」に基づく「結果回避義務」の存否が争点となったが、東京高裁は今年6月、危険の切迫性を認めながらも、重大事件が発生した初期段階で捜査の状況に応じて、地域住民にどの程度の情報を提供するかは警察の裁量に委ねられている」と判示し、控訴を棄却していた。
加藤さん側が提出した理由書によると、埼玉県警幹部は「屋外の通り魔事件であれば1件発生しただけで連続発生を想定すべきであり、屋内事件であれば2件続けて発生しない限り連続発生を想定できない」とする、いわゆる「1件2件論」を主張する。しかし、加藤さん側は「1件2件論」は警察庁が否定しており、また、裁判例や法律文献もなく、その主張の信用性を吟味することなく、埼玉県警幹部の証言を鵜呑みにした控訴審の判決理由に不備があると訴えている。今回の理由書の提出を受けて、加藤さんは「どうにか公正な判断を司法に求めて、勝訴に向けて頑張っていければとは思います」と現在の心境を語った。
▽埼玉・熊谷6人殺害事件
2015年9月に、住宅3軒で男女6人が殺害された事件。強盗殺人などの罪に問われたナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者は2018年3月、1審・さいたま地裁で死刑判決。東京高裁は19年12月、心神耗弱を理由に1審判決を破棄、無期懲役を言い渡した。検察側は上告を見送った。最高裁が20年9月、無罪を主張する弁護側の上告を棄却、無期懲役の高裁判決が確定した。
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■『BS朝日 日曜スクープ』2023年8月13日の放送内容は現在、公開中です。
【玉本英子ルポ破壊された街】砲撃の連続で“民間人犠牲”戦禍の現実◆日曜スクープ◆
遠方から砲声が鳴り響き、砲弾が降り注ぐ街で、殺戮と破壊の連鎖が続く。ジャーナリスト・玉本英子氏(アジアプレス)は、今年5月初旬にウクライナに入った。ザポリージャ州南部の戦闘地域から約7キロ離れたオリヒウ市内は、ロシア軍による砲撃と大型爆弾の投下で、住宅や学校などが無残に破壊されていた。約9割の住民が避難で街を離れたが、約200人が避難する学校を取材した玉本氏は、戦争の理不尽に耐えながら生活を余儀なくされる住民の苦難を目撃する。玉本氏が取材した翌月、ウクライナ軍は、このオリヒウを拠点に、大規模反転攻勢に着手した。また、昨年8月、玉本氏は南部ヘルソン州での取材で、ウクライナ軍の隊長と出会った。だが、今回の取材中、玉本氏に悲報が届く。激戦地バフムトに転戦した隊長は、塹壕で砲弾を受け亡くなった。ジャーナリスト・玉本英子氏は今回の取材を通じて、戦禍の日常と現実にどう向き合ったのか。ロシアの侵略により、市民が受けた痛苦と不条理を伝える。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
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【ウクライナ玉本英子ルポ①】南部“最前線の街”激化するロシア砲撃◆日曜スクープ◆
ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。南部ザポリージャ州のオリヒウでは今年5月、ロシア軍による砲撃が絶え間なく続いていた。戦闘地域から7キロの“最前線の街”だ。取材の翌月には、ウクライナ軍がこのオリヒウを拠点に、反転攻勢に着手している。玉本氏が取材した時点でも、学校や住宅など、至るところに砲撃の跡があり、高齢者ら、避難できなかった住民が、数少ない残った建物に身を寄せていた。そこで住民たちが祈っていたことは…。さらに玉本氏は、複数のウクライナ軍の検問所を通過し、戦闘地域により近いマラ・トクマチカにも向かった。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
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【ウクライナ玉本英子ルポ②】ヘルソン州“奪還”後も苦難…庭に砲弾◆日曜スクープ◆
ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。ヘルソン州のドニプロ川西岸からロシア軍が撤退したのは去年11月。玉本氏は今年5月にヘルソン市内を訪れたが、ロシア軍からの砲撃が続き、市内の人影は少ない。玉本氏は、ロシア軍撤退前の去年8月、ヘルソン市郊外の集落を取材しており、今年6月に再訪すると、避難していた住民の一部が帰還していた。しかし、庭先には砲弾が残り、電気や水道などのインフラも復旧はこれからだ。さらに、取材中の玉本氏に悲報が届いた。去年8月の取材を受け入れたウクライナ軍の隊長が激戦地バフムトに転戦し、戦死したのだ…。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
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【ウクライナ玉本英子ルポ③】集合住宅まで崩壊…起きなかった奇跡◆日曜スクープ◆
ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。ウクライナ中部の都市ウマニは今年4月末、集合住宅がロシア軍のミサイル攻撃を受けて崩落した。午前4時の攻撃で、子ども6人を含む23人が命を奪われている。その翌月、玉本氏が現地を訪れると、犠牲者23人の写真が掲げられ、多くの子どもたちが友達の写真を見つめていた。6階に住んでいたヘレナさん(53)は、娘夫婦と暮らしていたと言う。ヘレナさんは、別の部屋で寝ていた娘夫婦の無事を祈り、奇跡を願ったのだが…。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
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