トランプ大統領の対中姿勢の変化は、昨年後半からより明確になった。2025年10月30日、韓国・釜山で行われた米中首脳会談を前に、トランプ氏はSNSに「間もなくG2が開かれる」と投稿。会談後も、「習主席とのG2会談は、両国にとって素晴らしいものだった」と発信している。G2とは、米国と中国を二大大国と位置づける「Group of Two」を意味する言葉であり、トランプ氏の世界観を象徴する表現と言える。さらに昨年12月8日、トランプ大統領は、米半導体大手「エヌビディア」のAI向けGPU「H200」について、中国への販売を認めるとSNSで発表した。半導体分野では、中国に厳しい輸出規制を課してきた米国の姿勢が、ここでも軟化の兆しを見せた。
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【米のベネズエラ攻撃】マドゥロ大統領拘束”首都で40人死亡“東アジアの安全保障は
米AP通信によると、1月3日午前2時ごろ、南米ベネズエラの首都カラカス市内で航空機が低空で飛行する音が相次いで確認され、その直後、少なくとも7回の爆発音が響いた。トランプ米大統領は同日、自身のSNSに、「ベネズエラに対する大規模な攻撃に成功し、マドゥロ大統領は妻とともに拘束され、国外に移送された」と投稿した。一方、米ニューヨーク・タイムズは、ベネズエラ政府高官の話として、3日未明に行われた米軍による大規模な攻撃で、軍関係者や民間人を含む少なくとも40人が死亡したと報じた。同紙によると、米軍の特殊部隊は、現地時間の午前2時ごろ、マドゥロ大統領の邸宅を急襲。作戦全体はおよそ2時間20分に及んだ。
中南米ベネズエラは、米国からカリブ海を挟んで至近距離に位置する。同国では、マドゥロ氏が2013年から大統領を務め、反米路線をとってきた。トランプ政権は、昨年9月以降、麻薬対策を名目にカリブ海周辺で麻薬運搬船への攻撃を繰り返すなど、ベネズエラとの対立を段階的に深めていた。こうした中、トランプ大統領は今回の軍事行動について、「米国史上、最も衝撃的で、効果的かつ強力な軍事力を誇示した」「驚異的な軍事作戦だった」と自賛した。さらにトランプ大統領は、マドゥロ氏を麻薬密輸の首謀者と位置づけ、今回の攻撃を正当化し、米国内で行われる裁判において、その犯罪性を立証できる「圧倒的な証拠がある」と主張した。
トランプ大統領はまた、ベネズエラで「適切な政権移行」が行われるまで、「米国が国を運営する」と言及。「我々の要求が完全に受け入れられるまで、あらゆる軍事的手段を保持する」と述べ、再攻撃も辞さない強硬姿勢を示した。世界最大規模とされるベネズエラの原油埋蔵量を念頭に、トランプ氏は、米国の石油会社が老朽化した石油インフラを再建し、両国に利益をもたらすと強調している。
この事態を受け、国際社会の反応は大きく割れている。スターマー英首相は、「かねてよりベネズエラにおける政権交代を支持してきた。マドゥロ氏を非合法な大統領と見なしており、その政権の終焉について涙を流すことはない」と述べた。マクロン仏大統領も、「ベネズエラ国民は本日、マドゥロの独裁体制から解放された。権力を掌握し、基本的自由を踏みにじることで、彼は自国民の尊厳に深刻な打撃を与えてきた」と語り、事実上の支持を表明した。一方、ロシア外務省は、「米国はベネズエラに対して武力侵略行為を行った。これは深刻な懸念であり、強く非難される。正当化のために用いられた口実には根拠がない」と厳しく批判した。中国外務省も、「一国の大統領に手を出すという蛮行に深く衝撃を受け、強く非難する」と声明を出している。
国際法違反の疑いを巡り、国際連合も懸念を示した。国連のグテーレス事務総長は談話で、「米国の軍事行動を深く憂慮する」と表明。スペイン外務省は、「緊張緩和と節度ある行動、そして国際法と国連憲章の原則を常に尊重すること」を求めた。また、イラン外務省も声明で、「ベネズエラに対する米国の軍事攻撃は、同国の国家主権と領土的一体性に対する明白な侵害であり、強く非難する」としている。国連憲章第2条4項は、「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇または武力の行使を慎まなければならない」と定めている。
トランプ大統領が踏み切ったベネズエラ本土への直接攻撃。その背景には、麻薬対策にとどまらない戦略的意図が存在する。その手がかりとなるのが、昨年12月に公表された第2次トランプ政権の国家安全保障戦略。戦略文書には、「米国は自らの安全と繁栄の条件として、西半球において卓越した地位を確立しなければならない」と明記し、西半球への関与を最優先課題に据えた。その上で、欧州との相互不干渉を原則とする、いわゆる「モンロー主義」への回帰を鮮明に打ち出している。この「西半球重視」の路線は、米国による地球規模での軍事プレゼンスの再調整を不可避とする。国家安全保障戦略は、地球規模で米軍の駐留を見直し、戦略的に再構成する必要性にも言及している。
トランプ大統領の対中姿勢の変化は、昨年後半からより明確になった。2025年10月30日、韓国・釜山で行われた米中首脳会談を前に、トランプ氏はSNSに「間もなくG2が開かれる」と投稿。会談後も、「習主席とのG2会談は、両国にとって素晴らしいものだった」と発信している。G2とは、米国と中国を二大大国と位置づける「Group of Two」を意味する言葉であり、トランプ氏の世界観を象徴する表現と言える。さらに昨年12月8日、トランプ大統領は、米半導体大手「エヌビディア」のAI向けGPU「H200」について、中国への販売を認めるとSNSで発表した。半導体分野では、中国に厳しい輸出規制を課してきた米国の姿勢が、ここでも軟化の兆しを見せた。
西半球重視が本格化すれば、米国が東アジアの安全保障への関与を縮小する可能性も否定できない。現在想定される米国の防衛ラインは、日本・韓国・台湾を含むラインであり、米国家安全保障戦略でも「台湾海峡の現状に対するいかなる一方的変更も支持しない」と明記されている。しかし、情勢が一段階悪化した場合、日本と台湾を防衛圏内に残し、韓国を除外するライン。あるいは、日本と韓国を含み、台湾を除外するラインも想定されるとの指摘もある。さらに最悪のケースとして、日本のみを防衛圏内に残し、韓国と台湾を除外するシナリオも指摘される。これは1950年、当時のアチソン米国務長官が言及したラインで、朝鮮戦争を招いた一因とされる防衛線である。アチソン国務長官は、このラインを共産主義勢力が越えれば、米国が軍事力で阻止すると表明していた。こうした中、年末には新たな懸念材料も浮上した。ロシアのラブロフ外相は、2025年12月28日に公開されたタス通信のインタビューで、「2001年に署名された中ロ善隣友好協力条約の基本原則は、国家の統一と領土保全の維持における相互支援だ。我々は台湾問題は中国の内政問題である、という前提に基づいている」と発言した。
★ゲスト: 秋田浩之(日本経済新聞本社コメンテーター)、ジョセフ・クラフト(経済・政治アナリスト)
★アンカー: 末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)
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【物価高と住宅高騰で生活危機】日銀利上げも“円安基調が継続”高市総理の課題は?
高市早苗総理は1月1日、「新年の所感」を公表し、日本が直面する内外の課題について強い危機認識を示した。高市総理は、日本社会の足元に進行する「人口減少」について、「静かな有事とも言うべき事態」と位置づけた。そのうえで、長期にわたり日本経済を覆ってきたデフレ状況から転じ、国民がいま直面しているのは深刻な「物価高」であると指摘。また、安全保障環境については、「戦後最も厳しく、かつ複雑な局面にある」と強調。国際情勢にも言及し、高市総理は、戦後日本が依拠してきた「自由で開かれた国際秩序」が大きく揺らいでいると指摘した。また、高市総理は世界情勢にも言及し、「世界を見渡せば我々が慣れ親しんできた自由で開かれた国際秩序は揺らぎ覇権主義的な動きが強まるとともに政治・経済の不確実性が高まっている」と危機感を滲ませた。
年末年始の食卓にも物価上昇の影が落ちている。民間調査会社「帝国データバンク」が11月25日に実施した2026年正月向け「おせち料理」の価格調査において、2026年の平均価格は2万9098円(税込み)で、前年比で3.8%(1054円)の値上げ。同社の調査資料によると、イクラは27%上昇、数の子については12%と海外産を中心に、円安の進行や加工地での人件費上昇といったコスト増を背景に、値上がりが続いている。伝統的な正月食材の価格は、家計に重い負担を強いる状況となった。物価の「実体」と国民の「実感」との乖離も、改めて浮き彫りになっている。日銀が10月10日に公表した生活意識に関するアンケート調査では、「1年前に比べ、現在の物価はどの程度変化したか」との問いに対し、2025年9月時点で平均的な回答はプラス16.9%、中央値でもプラス10.0%となった。実際、2025年8月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、前年同月比)は2.7%の上昇にとどまっており、統計上の物価上昇率と生活実感との間にはなお大きな隔たりが存在するとみられる。
住宅価格の高騰が、国会の場でも改めて問題視された。玉木雄一郎・国民民主党代表は2025年12月10日の衆議院予算委員会で、東京の住宅事情を念頭に「中間層にとって、ちゃんとした家を持つことが夢物語になってきた」と指摘。玉木氏は、「東京では、所得の17倍じゃないと、新築マンションを買えない。中間層の人からすると、夢物語になっている。どこかで変えなければならない」と述べ、高市総理に対し、住宅価格高騰への実効性ある対応を迫った。
マンション市場でも上昇基調は止まらない。不動産調査会社「東京カンテイ」によると、2025年11月時点で、東京23区の新築マンション価格は前月比で14.1%上昇、平均価格は1億2420万円。一方、東京23区の中古マンション価格は前月比2.7%上昇し、平均価格は1億1485万円となり、1億円超えは6カ月連続で、住宅取得のハードルは新築・中古を問わず高まり続けている。こうした中、若いファミリー層を中心に「50年ローン」という選択肢に注目が集まる。不動産大手「オープンハウス」の調査によると、5000万円のマンションを変動金利0.85%で購入した場合、35年ローンでは月々の返済額が約13万7674円となるのに対し、50年ローンでは約10万2321円に抑えられる。しかし、利息総額は35年ローンで約782万円にとどまるのに対し、50年ローンでは約1139万円に膨らみ、支払い総額は約357万円増加する。月々の負担を軽減する一方で、将来世代まで債務を引き延ばす構造的なリスクを抱えることになる。賃貸住宅の負担も重くのしかかる。ファミリータイプ物件の平均賃料は、2023年11月と2025年11月を比較すると、東京23区で13.0%、首都圏全体では24.8%上昇した。大阪市でも16.5%の上昇が確認され、福岡、札幌など主要都市でも同様の傾向が広がっている。
住宅価格の高騰が続く中、与野党双方で対策を模索する動きが本格化している。国民民主党は2025年12月11日、不動産価格の上昇を抑制するため、「空室税」の創設を柱とする法案を国会に提出した。法案では、投機的な取引によって住宅価格が著しく高騰している地域を対象に、居住目的で利用されていない住宅に課税すること、また、取得から2年以内に売却される「超短期取引」について、譲渡益への課税を強化することを盛り込んだ。短期転売への課税という発想自体は、過去にも採られてきた。1987年の税制改正では、いわゆる「土地ころがし」を抑制するため、法人が2年以内に土地を売却した場合、その売却益に対して30%の追加課税が導入されていた。一方、政府は別のアプローチで対応に乗り出す。住宅価格の高騰を受け、長期固定金利型住宅ローン「フラット35」の融資限度額を、現行の8000万円から1.5倍となる1億2000万円へ引き上げる方針を固めた。引き上げは20年ぶりとなる。「フラット35」は、住宅金融支援機構が民間金融機関と連携して提供する、最長35年の全期間固定金利型住宅ローン。融資限度額の引き上げに加え、金利についても3年程度は本来の水準より低く設定する。
高市総理は1月1日、「国民の皆様が直面しておられる物価高への対応を最優先に取り組んできた」と強調した。昨年の臨時国会で補正予算を成立させ、「国民との約束を果たすことができた」と成果をアピールした。政府が講じた物価高対策は総額8兆9000億円規模にのぼる。子ども(0~18歳)1人当たり2万円の給付、電気・ガス料金の補助による3カ月で約7000円の負担軽減、重点支援地方交付金を活用した食料品購入支援(1世帯1万円、1人当たり3,000円)など、家計を直接下支えする措置が並んだ。さらに、ガソリン暫定税率の廃止による世帯当たり約1万2000円の負担軽減、所得税の「年収の壁」見直しによる納税者1人当たり2万~4万円の減税効果も打ち出された。2025年12月26日に閣議決定された2026年度予算案は、一般会計総額が約122兆3000億円と過去最大級となり、新規国債発行額も約29兆6000億円に達する見通し。
こうした中、高市政権は2026年を見据え、物価高対策の「次の段階」として二つの柱を掲げた。一つは「賃上げ」、もう一つは「円安是正」。賃上げを巡っては、高市総理が2025年12月25日、経団連の会合に出席し、「物価上昇に負けないベースアップの実現」を、今年の春季労使交渉に向けて、経営側に強く求めた。また、政府は、1兆円規模の支援基金を活用し、中小・小規模事業者の成長投資を後押しするほか、重点支援地方交付金の拡充などを通じて、賃上げ環境の整備を進める方針だ。さらに、木原稔官房長官は、連合が5%以上の賃上げを掲げる春闘に向け、連合の新年交歓会への出席を調整している。政府として労使双方と連携し、賃上げの機運を高める狙いがある。一方、物価高の大きな要因となってきた円安への対応も政権の重要課題。片山さつき財務大臣は2025年12月23日、急速に進行する円安について「経済の基礎的条件、いわゆるファンダメンタルズを反映しているとは到底思えない」と述べ、投機的な動きを含めた「行き過ぎた動き」に対して強い姿勢で臨むことを強調した。そのうえで、片山財務大臣は、「私はフリーハンド」と発言し、為替市場への躊躇なき牽制を示唆した。
★ゲスト: 永濱利廣(第一生命経済研究所)、ジョセフ・クラフト(経済・政治アナリスト)
★アンカー: 末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)
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【光通信と次世代半導体】IOWNが変える“遠隔医療の未来”2026ニッポンの逆襲は?
2025年12月、東京ビッグサイトで開かれた世界最大級の半導体国際展示会。北海道で次世代半導体の量産を目指す「ラピダス」をはじめ、国内外の有力企業が一堂に会する中、ひときわ人だかりを集めるブースがあった。NTTが開発を進める次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」。現在の通信ネットワークは、光で送られた信号を途中で電気に変換しながら処理する仕組みが主流となる。一方、IOWNは光を電気に変換することなく、光だけで通信と処理を完結させる。この技術により、通信遅延は従来の約200分の1にまで短縮され、データ容量は125倍に拡大。さらに消費電力は100分の1に抑えられることが可能となる。膨大なデータ処理が不可欠となる次の時代のインフラとして、世界が強い関心を寄せている。
IOWNがもたらす変革の一つが医療分野。遠隔医療やリハビリへの応用が現実味を帯びる。東京と福岡をIOWNで接続し、トレーナーの動きを遠隔地に伝える装置を用いたリハビリの実証では、福岡側の担当者が腕を動かすと、東京にいる体験者の腕が、まるで隣で直接サポートを受けているかのように自然に動かされた。低遅延・大容量という特性が、距離の壁を限りなく小さくしている。NTTの担当者は「遠隔地からでもリハビリやサポートが可能になれば、地方の過疎化問題の解決や、移動時間の削減によって新たな労働力の創出にもつながる」と語る。人口減少と過疎化が進む日本にとって、医療インフラの在り方を根底から変え、社会的課題の解決に寄与する可能性を秘めている。
もう一つ、IOWNが持つ大きな強みが「省電力」。生成AIの急速な普及により、世界的に深刻化しているのが電力不足の問題。国の試算では、デジタル化の拡大によって、2050年には日本国内のデータセンターだけで約1万2000テラワット時もの電力が必要となり、現在の総発電量の12倍に達するとされる。消費電力を100分の1に抑えるというIOWNの構想には、インテルやソニーなど、世界を代表する約180社が参画している。NTT・IOWN推進室の荒金陽助室長は、「世界でモノを売り、サービスを展開することが前提。NTTグループ単独で完結するとは考えていない。グローバルな企業と連携しながらも、その中で日本企業が重要なポジションを担うことを実現したい」と語る。
一方、通信と並び次世代技術のもう一つの柱となるのが半導体。仙台市に本部を置く東北大学では、消費電力を劇的に抑える次世代半導体の研究が進んでいる。カギとなるのは「スピントロニクス半導体」。電子が持つ「電気」と「磁石」という二つの性質を活用する新しい技術。研究を率いる同大国際集積エレクトロニクス研究開発センター長の遠藤哲郎教授は、「スピントロニクス半導体が社会のあらゆる場面に導入されれば、スマートフォンは一度の充電で2~3週間使えるようになる」と語る。従来のシリコン半導体では、AI処理時に約2000ミリワットの電力を消費し続けるのに対し、スピントロニクス半導体を用いたAI処理では、ピーク時でも40ミリワットに抑えられる。消費電力は実に50分の1。さらに、この半導体は電源を切ってもデータを保持できるという特性を持つ。
遠藤教授がこの研究に情熱を注ぐ背景には、東日本大震災の経験がある。「家族や学生の安否を確認したくても電話がつながらず、かけるたびにバッテリーが減っていく。災害時に、通信機器がいかに脆弱かを痛感した。性能を向上させるだけでなく、少ない電力で本当に役に立つ技術が必要だと強く思った」。かつて、電機大手「東芝」で半導体開発の最前線で従事した経験があり、日本の盛衰を見つめてきた遠藤教授は、半導体技術の向上を踏まえた日本の進むべき道をこう指摘する。「半導体を持たざる国は、経済安全保障を守れない。基礎研究から、企業が世界で勝ち抜く段階まで、国が支援することが大事」。光でつながる通信、磁石で記憶する半導体。エネルギー制約という世界共通の課題を前に、日本発の技術が挑もうとしている。2026年、日本の逆襲は静かに、確実に加速しつつある。
★ゲスト:永濱利廣(第一生命経済研究所)、ジョセフ・クラフト(経済・政治アナリスト)
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■『BS朝日 日曜スクープ』2025年3月23日の放送内容は現在、公開中です。
【中国に対峙する台湾・金門島】戦跡が物語る“砲撃の記憶”防衛拠点の現実と島民生活
中国福建省の廈門(アモイ)から約5キロの距離に位置する台湾・金門島。人口は約14万人、面積は150平方キロメートルの小さな島で、基幹産業の観光と漁業で発展を遂げてきた。金門島は長年、中国との緊張関係の中で、重要な軍事拠点として機能してきた。最盛期には、約14万人が駐留していたとされる軍隊は、約3000人まで縮小されたが、現在も、島の重要な防衛を担っている。
かつては、砲撃戦が繰り広げられた歴史がある。金門島は1949年の古寧頭戦役、1958年の金門砲戦という2つの戦いの舞台となった。古寧頭戦役では、中国・人民解放軍が金門島に上陸し、蒋介石が率いる国民党軍と激しい戦闘を繰り広げた。この戦いで、国民党軍が防衛の成功を収めた。金門砲戦では、人民解放軍は、金門島に44日間で47万発超の砲弾を撃ち込んだ。島内には、防空壕、砲弾の残骸などの軍事遺構が数多く残されており、戦争の記憶を今に伝えている。
★ナレーター:佐分千恵
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【熊谷6人殺害その後】遺族が警察の対応を問う裁判“最高裁も上告棄却”不受理の決定
「熊谷6人殺害その後」司法はまたも遺族の訴えを退けた。家族3人の命を奪われた加藤裕希さんは、当時の警察の対応を問題視して裁判を起こしていたが、最高裁が加藤さんの上告を棄却した。
事件が起きたのは2015年9月。ペルー人の男が埼玉県警の熊谷警察署から逃走し、その翌日、熊谷市内で50代の夫婦を殺害した。さらにその後の2日間で、80代の女性を殺害した後、加藤さん宅に侵入し、妻と2人の娘を殺害した。男は一審の裁判員裁判で死刑を言い渡されたものの、控訴審で減刑され無期懲役が確定している。
加藤さんが自ら起こした裁判では、最初の殺人事件が起きたときの埼玉県警の対応を問題にした。県警は熊谷署から逃走中だったペルー人の男を「参考人」として全国に手配していた。しかし、県警は男の逃走を公にせず、防災無線などを用いての注意の呼びかけもないまま、連続殺人に至った。
加藤さんは「最初の殺人事件が起きたとき、埼玉県警が『逃走犯による無差別殺人の可能性がある』と広報していれば、私も妻も警戒を強めて、犯行を防ぐことができた」と訴えた。しかし、1審、控訴審ともに、加藤さんの訴えを退けた。そして今回、最高裁も加藤さんの上告を受理せず、棄却した。
加藤さんは、最高裁が上告を受理しなかったことについて「闘う土俵にも上れず、悔しい」と話している。ご家族の3人には、「気持ちの整理がつかず、裁判の結果を報告できない」という。
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)
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【熊谷6人殺害国賠訴訟】上告理由書を提出“警察裁量”不当性の存否◆日曜スクープ◆
2015年に埼玉県熊谷市で男女6人が殺害された事件で、妻と娘2人の殺害は県警の近隣住民への注意喚起が不十分として、遺族の加藤裕希さん(50)が5日、最高裁判所に上告審として受理することを求める理由書を提出した。今年6月、加藤さんが県に約6400万円の損害賠償を求めた国家賠償請求は、控訴審で棄却されていた。最高裁で上告が受理されて審理の対象となるのは2022年の場合、1.3%の狭き門だった。
訴えによると、当時、埼玉県警は熊谷署から逃走中だったペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者を、最初の殺人事件の「参考人」として全国に手配していた。ジョナタン受刑者の逃走については、加藤さんの事件が起きるまで、埼玉県警は明らかにしていなかった。1審のさいたま地裁は昨年4月、埼玉県警の情報提供に違法性はないとして、原告の訴えを棄却。昨年10月に始まった控訴審では1審と同様、事件の発生について予想可能かどうかという、警察が予め知り得る「予見可能性」、また、その「予見可能性」に基づく「結果回避義務」の存否が争点となったが、東京高裁は今年6月、危険の切迫性を認めながらも、重大事件が発生した初期段階で捜査の状況に応じて、地域住民にどの程度の情報を提供するかは警察の裁量に委ねられている」と判示し、控訴を棄却していた。
加藤さん側が提出した理由書によると、埼玉県警幹部は「屋外の通り魔事件であれば1件発生しただけで連続発生を想定すべきであり、屋内事件であれば2件続けて発生しない限り連続発生を想定できない」とする、いわゆる「1件2件論」を主張する。しかし、加藤さん側は「1件2件論」は警察庁が否定しており、また、裁判例や法律文献もなく、その主張の信用性を吟味することなく、埼玉県警幹部の証言を鵜呑みにした控訴審の判決理由に不備があると訴えている。今回の理由書の提出を受けて、加藤さんは「どうにか公正な判断を司法に求めて、勝訴に向けて頑張っていければとは思います」と現在の心境を語った。
▽埼玉・熊谷6人殺害事件
2015年9月に、住宅3軒で男女6人が殺害された事件。強盗殺人などの罪に問われたナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者は2018年3月、1審・さいたま地裁で死刑判決。東京高裁は19年12月、心神耗弱を理由に1審判決を破棄、無期懲役を言い渡した。検察側は上告を見送った。最高裁が20年9月、無罪を主張する弁護側の上告を棄却、無期懲役の高裁判決が確定した。
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【玉本英子ルポ破壊された街】砲撃の連続で“民間人犠牲”戦禍の現実◆日曜スクープ◆
遠方から砲声が鳴り響き、砲弾が降り注ぐ街で、殺戮と破壊の連鎖が続く。ジャーナリスト・玉本英子氏(アジアプレス)は、今年5月初旬にウクライナに入った。ザポリージャ州南部の戦闘地域から約7キロ離れたオリヒウ市内は、ロシア軍による砲撃と大型爆弾の投下で、住宅や学校などが無残に破壊されていた。約9割の住民が避難で街を離れたが、約200人が避難する学校を取材した玉本氏は、戦争の理不尽に耐えながら生活を余儀なくされる住民の苦難を目撃する。玉本氏が取材した翌月、ウクライナ軍は、このオリヒウを拠点に、大規模反転攻勢に着手した。また、昨年8月、玉本氏は南部ヘルソン州での取材で、ウクライナ軍の隊長と出会った。だが、今回の取材中、玉本氏に悲報が届く。激戦地バフムトに転戦した隊長は、塹壕で砲弾を受け亡くなった。ジャーナリスト・玉本英子氏は今回の取材を通じて、戦禍の日常と現実にどう向き合ったのか。ロシアの侵略により、市民が受けた痛苦と不条理を伝える。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
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【ウクライナ玉本英子ルポ①】南部“最前線の街”激化するロシア砲撃◆日曜スクープ◆
ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。南部ザポリージャ州のオリヒウでは今年5月、ロシア軍による砲撃が絶え間なく続いていた。戦闘地域から7キロの“最前線の街”だ。取材の翌月には、ウクライナ軍がこのオリヒウを拠点に、反転攻勢に着手している。玉本氏が取材した時点でも、学校や住宅など、至るところに砲撃の跡があり、高齢者ら、避難できなかった住民が、数少ない残った建物に身を寄せていた。そこで住民たちが祈っていたことは…。さらに玉本氏は、複数のウクライナ軍の検問所を通過し、戦闘地域により近いマラ・トクマチカにも向かった。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
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【ウクライナ玉本英子ルポ②】ヘルソン州“奪還”後も苦難…庭に砲弾◆日曜スクープ◆
ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。ヘルソン州のドニプロ川西岸からロシア軍が撤退したのは去年11月。玉本氏は今年5月にヘルソン市内を訪れたが、ロシア軍からの砲撃が続き、市内の人影は少ない。玉本氏は、ロシア軍撤退前の去年8月、ヘルソン市郊外の集落を取材しており、今年6月に再訪すると、避難していた住民の一部が帰還していた。しかし、庭先には砲弾が残り、電気や水道などのインフラも復旧はこれからだ。さらに、取材中の玉本氏に悲報が届いた。去年8月の取材を受け入れたウクライナ軍の隊長が激戦地バフムトに転戦し、戦死したのだ…。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
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【ウクライナ玉本英子ルポ③】集合住宅まで崩壊…起きなかった奇跡◆日曜スクープ◆
ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス所属)が戦禍のウクライナを現地取材。ウクライナ中部の都市ウマニは今年4月末、集合住宅がロシア軍のミサイル攻撃を受けて崩落した。午前4時の攻撃で、子ども6人を含む23人が命を奪われている。その翌月、玉本氏が現地を訪れると、犠牲者23人の写真が掲げられ、多くの子どもたちが友達の写真を見つめていた。6階に住んでいたヘレナさん(53)は、娘夫婦と暮らしていたと言う。ヘレナさんは、別の部屋で寝ていた娘夫婦の無事を祈り、奇跡を願ったのだが…。
★ゲスト:玉本英子(ジャーナリスト/アジアプレス)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
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