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#105

煙突のような吹き抜けのあるパッシブデザインの家

今回訪ねたのはJR川越線で大宮から10分、さいたま市の北西部に位置する指扇。この地名は、江戸の方角を「指」す「扇」の形をした地形に由来するとの説もあります。この街を通る川越線は昭和初期、東京が空襲を受けた時に備え、東北から東海道方面への迂回路として作られました。今も市民の足として活躍しています。 そんな指扇にご家族とご両親の二世帯でお住まいのMさん。元々、ご両親が建てた2階建ての家を、18年前に3階建ての二世帯住宅に建て替えて一緒に暮らしていました。以前の家は夏は暑く冬は寒かったため、光熱費もかかるなど様々な問題を抱えていました。そこで今回は断熱性に優れ、光熱費削減にもつながる「パッシブデザイン」というアイディアを取り入れ、エコで快適な住まいへとリモデルしました。
底冷えする寒さ対策として、新聞紙を原材料とする断熱材で家全体を包んで空気の層を作り、外の寒さが家の中へ伝わりにくくしました。夏の暑さは、家の中を風が通り抜けるように設計された窓を設置することで大幅に軽減されました。さらに、1階と2階を繋ぐ煙突のような吹き抜けや3階まで続く階段が空気の通り道になり、真夏でもエアコン一台で家全体が涼しく快適な住まいになりました。また、以前は1階に親世帯、3階に子世帯が暮らし、2階には両親と子どもの寝室がありましたが、今回のリモデルで、ご両親を一番陽当たりの良い3階へ移動。足の悪いお母様のためにホームエレベーターを設置して負担を軽減しています。
お子さんたちも、居心地の良くなった家に大満足。リモデルをきっかけに、エネルギーについても家族同士で話しをするようになったそうです。ホームエレベーターを設けたことで、祖父母が子世帯のある1階に簡単に行けるようになり、三世代の距離もますます近くなったようです。
 
設計担当:OKUTA LOHAS studio
http://www.okuta.com/

【平面図】

1F before

1F after

2F before

2F after

3F before

3F after