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#131

ご主人が惚れ込んだ名建築を一新 子育て家族仕様の家

東急田園都市線の急行で渋谷駅まで30分圏内の青葉台駅。この周辺はかつて雑木林が生い茂る丘陵地帯が広がっていましたが、戦後の人口急増に対応するため、「東京周辺の新たな住宅地」として、東急電鉄により駅の開発とともに街がつくられました。田園都市と称される街の中でも青葉台駅のある青葉区は、特に多くの緑に恵まれており、また長寿の街とも言われています。
今回訪れたW邸は、世界的な建築家・内井昭蔵によって設計されたマンションの一室。内井昭蔵は、戦後の日本建築史を代表する建築家の一人で、世田谷美術館や沖縄の浦添市美術館などの設計で知られています。元々、建築やデザインに興味があったご主人は、以前インターネットで見つけ気になっていたこのマンションを仕事中に偶然見つけました。当時は単身赴任中でしたが、大阪にいた家族を呼び寄せるタイミングで憧れていたこのマンションを購入することに。引っ越してから長女が誕生し4人家族になったWさんは、傾斜の立地を利用してどの部屋からも中庭の緑を臨められる元の設計は活かしつつ、子育てしやすい家にリモデルしました。
家族が集まる広い空間が欲しかったというWさんご夫妻。しかし、築46年のこのマンションは購入当時、54平米で3LDKと細かく部屋が分かれており、また壁や天井もかなり汚れていました。そこで、壁を取り払い、リビングとダイニングの間を仕切りの無い大きな空間に。家の東側にあったキッチンは家の真ん中に移動した事で、いつでも子供の様子が見られるスペースになりました。また、既存の古い壁には白い壁紙を貼り、天井や床材には木を選んだ事で、ご夫妻好みのナチュラルな雰囲気に。ただ、水まわりを囲む壁だけはビビッドな水色にし、空間にアクセントを付けました。
古いマンションのため、電圧不足で床暖房を設置する事ができなかったというW邸。その代わり、床には木の中に空気を多く含み保温性に優れるパイン材を
選び、さらに木の厚さも3センチにする事で、冬の底冷え対策も工夫しました。
キッチンを移動させた事で、部屋の中でマンションの中庭を一番眺められるようになったダイニング。なにかある度に、中庭の緑を背景に記念写真を撮るという家族の新しい習慣が出来たといいます。リモデルによって、Wさん家族のライフスタイルも変わっていくようですね。
 
設計担当:ショセット建築設計室
http://chaussette-archi.com/

【平面図】

before

after