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#134

古いマンションを一新 遊び心あふれる 皇居のそばの家

東京の中心、皇居。その西門、半蔵門のすぐ外のエリアは、将軍を護衛する「大番組」と呼ばれる旗本たちが居を構えていたことから「番町」と名付けられました。現在は各国の大使館や名門校も集まる、歴史と異文化が共存する街です。
今回訪れたM邸は、番町にある築40年を超えるヴィンテージマンションの一室。Mさんご夫妻は2人のお子さんとの4人家族。この家に賃貸で2年暮らした後、購入しました。しかし、壁に断熱材が入っていないため冬は寒く、湿気が原因でカビが生えるなどの問題があったため、購入を機に全面リモデルし、家族が快適に集える明るい住まいにしました。設計はご夫妻がHPを見て子ども部屋などのデザインが気に入ったという建築家の渡辺ガクさんに依頼。その場の環境を読み解きながら家族に合った暮らし方を提案することに定評のある建築家です。
マンションという制約された空間で、「R」の壁と「く」の字の壁で大胆なリモデルをした三木邸。部屋を仕切っていた壁を取り払い、3部屋を繋げて25帖のリビングダイニングに。窓から光が差し込む明るい空間に生まれ変わりました。また以前は個室だったキッチンも、リビングに取り込み、お子さんの様子を見ながら料理ができるオープンキッチンを設えました。子ども部屋はリビングに横に配置し圧迫感を生まないよう、壁はRの形に。可愛い丸窓を設けて、リビングにいても子どもたちの顔が見られるようになっています。既存の天井を取り払い、天井高を上げたことで、お子さんの寝室にもなるロフトも造りました。また玄関から続く、ご主人の書斎と寝室を仕切る「く」の字の壁は、限られた空間に奥行きと広がりを感じられるようになっています。
愛犬も加わり、新たな家族の歴史が始まったリモデルです。

 
設計担当:g_FACTORY建築設計事務所
http://gfactory-arch.com

【平面図】

before

after