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#192

美容院をシェアハウスに!? 女子寮みたいな昭和レトロの家

明治8年に大森貝塚が発見されたことで、その名が全国的に知られている大森。海岸では江戸中期から海苔の養殖が行われ、将軍家に献上するほどの品質でしたが、1960年代の埋め立てで、その歴史に幕を閉じました。現在は羽田空港や品川駅に近いベッドタウンとして人気を集めています。
 
今回はこの街で一緒に暮らし始めた3人の女性設計士を訪ねます。
元々、地元で50年以上愛され続けた美容院は、取り壊されて駐車場になる運命でした。しかし、昭和レトロな建物や街の雰囲気に一目惚れした3人がオーナーに掛け合い共同で設計、シェアハウスとしてリモデルしました。
 
「美容院に住む」というコンセプトをベースに、丸鏡や鏡前のカウンター、
ドライヤー用のフックなど、美容院の要素を出来るだけ残しました。また、壁の色はレトロポップなカラーのグリーンをそのまま残し、既存のデザインを存分に活かしています。
 
実は、明治から昭和にかけ大森海岸には料亭が立ち並んでおり、そこで働く芸妓さんたちのために美容院には着付け室があったんです。その着付け室だった部屋を、3人それぞれの収納棚を設け、自分の趣味に没頭することができる空間に。ギターを弾いたり、本を読んだりと楽しんでいるそうです。
 
2階は、以前も3部屋ありましたが、窓がなく狭い部屋があったため、全ての個室に窓があるよう仕切り直しました。窓辺には作業デスクとしても使うことができる広さの窓フレームを設け、それぞれが部屋のレイアウトを自由に楽しんでいます。
建物と土地の歴史を継承しつつ、自らが設計した住まいに暮らすという夢を実現した3人。
再生した家を活用しながら街との繋がりを築く、
「街に開く」個性的なリモデルでした。

 
設計担当: 櫻井彩,吉村梓,鶴田爽/ オンデザインパートナーズ
http://www.ondesign.co.jp 

【平面図】

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