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京急線で横浜駅まで10分の横浜市上大岡。この街を流れる大岡川沿いはかつて横浜名産のシルクハンカチやスカーフを染める捺染業が盛んでした。
1950年代に、丘陵地が宅地開発されると人口も急増。平成に入ると駅前の開発が進み、京急線屈指の繁華街に変貌を遂げました。
今回はこの街で、高度成長期に建てられた築54年の団地にお住まいのMさんご一家を訪ねます。Mさんご夫妻は共に一級建築士。元々は賃貸で暮らしていましたが、子供たちの誕生を機に団地の一室を格安で購入し、リモデルしました。
それから4年後、子どもたちが成長し手狭に感じてきたタイミングで、お隣が引っ越すことに。もともと自宅を仕事場にしていたお二人は隣の部屋も購入し、事務所と寝室を兼ねた空間にリモデルしたのです。
1軒目は主にご主人が設計を担当。壊せない壁以外はドアも間仕切りも取り払い、ワンルームに。開放感があり、木の温もりを感じられる生活空間を実現しました。また、フローリングの材質を変えることでゾーニングし、空間にメリハリをつけています。以前キッチンは北側の壁に面していましたが、外の景色を眺められるよう窓のある東側に移動。キッチンの窓からは広場で遊んでいる子供たちの姿が見えるため奥様も安心だとか。
2軒目の部屋は主に奥様が設計を担当。1軒目で感じた改善点や奥様のこだわりを取り入れることで、色調も落ち着いた空間に。クライアントも招くことがきるワークスペースを実現しました。
隣り合う2つの部屋を合わせると、全方角から景色を眺めることができるM邸。この団地は丘のてっぺんにあるため視界を遮るものがなく、天気の良い日は富士山も見えるほど眺望も抜群。四季折々の風景を家族みんなで楽しんでいるそうです。
設計担当: 向坂穣さん・矢野日奈子さん/ 向坂建築設計事務所
http://mukoarc.com