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#210

万博の年に建った上質マンションを再生 渋谷のチーズ職人の家

明治神宮の西の玄関口として知られる、小田急線の参宮橋駅。
戦国の時代から、このあたり一帯は代々木村と呼ばれていました。
「代々木」という地名は、この地に代々受け継がれたモミの大木に由来するそうです。幕末のペリー来航の折には、井伊直弼の家臣がこの木に登って、黒船の動きを見張ったと伝えられています。
 
今回はこの街でヴィンテージマンションの最上階の部屋を購入し、リモデルされたFさんご夫妻を訪ねます。フレッシュチーズの製造・販売を手がけるお二人。元は写真家のスタジオだった部屋の、レトロで味わいのある既存部分は上手に活かしつつ、仲間が集い食事を楽しむことができる居心地の良い住まいに生まれ変わりました。
部屋に入ってまず目に飛び込んでくるのが、開口窓から見える抜群の眺望。元の窓はシングルガラスだったため、初めての冬は凍えながら過ごしたとか。そこで、内窓をつけて二重窓にし、温熱環境を改良しました。また、防音効果もあるため、雷や花火の音が苦手な愛犬も安心して寛ぐことができるそうです。
そして、部屋の中でも一際、存在感を放っているのが、キッチンからせり出すように造作されたカウンター。側面にRをつけ自然素材のラタンを張ることで柔らかい印象に仕上げています。天板は、ナポリのピザ屋で修行をした経験を持つご主人がここでピザやパスタの生地をこねる為、イタリア製の大理石にしました。
ご近所には飲食関係の仲間も多いため、ホームパーティの時は友人たちが料理を振る舞ってくれるんだとか。Fさんご夫妻が理想としていた「仲間と食卓を囲むことができる住まい」が実現し、大満足のリモデルとなりました。
 
設計担当: 江口智行さん/ALP
https://alp-alp-alp.jp

【平面図】

before

after