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#216

コロナ禍が実現させた驚きの設計 2階が浮遊する立川の家

いまや多摩地域の中心地となった東京都立川市。その発展の礎となったのが、旧陸軍によって開設された立川飛行場です。日本最初の旅客定期便が運行されるなど、立川は空の都として知られていましたが、第二次世界大戦後は米軍基地に。1977年に返還されると、跡地の開発が進み、市民の交流の場として活用されています。
 
今回はこの立川市内に一戸建てを購入しリモデルされたN邸を訪ねます。
比較的、状態の良かった1階部分を活かしつつ、既存の2階部分を全て取り払ったN邸。そして、その2倍近い大きさの新しい2階を浮かせて建てるという大胆な発想で増築し、家族が集う快適な空間を手に入れたのです。
1階の玄関前のスペースは元々、道路になる予定でしたが、計画が頓挫し、以前の所有者が手に入れた土地でした。そこを活用し、立派な柿と松の木を上手く避けて、中2階を増築。居住スペースを広げました。
また、東側にあった6帖の和室は、壁を生かして天井は取り払うことに。床はコンクリートを打って中庭的な空間を設けました。夏には次男がプール遊びをしたり、将来的にはサウナを設置しようと計画しているんだそうです。
コロナ禍をきっかけに、リモートワーク中心の生活になったNさんご夫妻。今回のリモデルで、LDKのワンルームの中に2人のワークスペースを設けることに。奥様のワークスペースには建具を取り付けて、必要に応じて開け閉めできるようにしました。また、建具の一部をガラス扉にすることで顔を合わせて会話ができるようにしています。
今回は残念ながら出演できなかった奥様も、広い空間でストレスなく子育て出来ると喜んでいるとのこと。建築学科に進学したDIY好きの息子さんにとっても、刺激的なリモデルとなったようです。
 
設計担当:神田篤宏さん・佐野ももさん / コンマ,一級建築士事務所 comma
http://comma-design.org

【平面図】

1F before

1F after

2F before

2F after