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#470

前田陽汰 株式会社むじょう 代表取締役

 

「これまで私たちは『死』というものをネガティブにとらえすぎてきたのではないか」と前田は語る。誰にでも何かしらの形で訪れるものなのに、忌み嫌いすぎてきたために、いざという時に深刻なダメージを食らってしまうことが多い。そこで、かつて日本人が持っていた無常観のように、『死』の受け入れ方や考え方を変えていく必要があると考えた。
 
その事業の1つが、故人を偲ぶためのオンラインサイト『葬想式』だ。葬儀というものがコンパクト化している昨今、故人と関わりのあった人物が、葬儀には行けなくとも、思い出の写真やメッセージを投稿できる場を作った。故人のこれまで知らなかった一面を見ることができると、約300件の実績を重ねた。前田は、コロナ禍で通常の葬儀ができない時期にサービスを始めたため、現在も無料で行っている。遺族の負担を考え、追悼サイトには公開期間を設け、画像やメッセージを有料で紙のアルバムに製作できるようにもした。
 
現在は、自宅でゆっくりとペットも一緒にお別れができる自宅葬専門のサービスや、死を身近に意識したり体感できる様々なイベントなどを企画、葬儀社にはできないアプローチを試みている。

 

まえだ ひなた

 
2000年11月30日生まれ
東京出身ながら、魚釣りが好きなだけできると、隠岐諸島の高校に島留学。高2の時、お世話になった島のお父さんが亡くなったのだが、ご自宅での葬儀が、島の人々が集まって来て一緒にご飯を食べたり話したり、残された人々であらたな出会いや交流が生まれる、ただ悲しいだけの場ではないことが得難い体験となった。卒業後、東京に戻り、慶応大に進学。祖父の死も経験し、大学の仲間と葬祭関連の事業を行う会社を設立。