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放送内容

#24

帝京大学文化財研究所 所長・考古学者 山内和也

全長6400km以上あったとされているユーラシア大陸の交易路「シルクロード」。紀元前2世紀から15世紀半ばまで活躍していたというこの交易路は、ユーラシア大陸の東西の経済・文化・政治・宗教の交流の上で大きな役割を果たしたとされている。
そんなシルクロード研究において大発見を果たした発掘チームを率いる日本人、それが帝京大学文化財研究所で所長を務める考古学者 山内和也 61歳だ。
 
山内らの発掘チームは、2017年に行われた調査でキルギスにあるアク・ベシム遺跡から大量の瓦片を発掘。中国語が書かれていたこれらの瓦の存在により、この場所が当時の中国王朝がシルクロードに築いた軍事拠点「砕葉鎮城」の跡であることが確かになった。さらに翌年はその付近で別の瓦片の堆積を発見。中央アジアでは珍しい色鮮やかな石敷きは、現地キルギスでも大きな話題になった。
かつて国際交易都市『スイヤブ』として栄えたこの場所では、未だ実態の多くが未解明のままだ。交易を担っていた定住民と遊牧民がどのように交流していたのか、異なる宗教間の共存や対立はどのようなものだったのか、唐との交流はどのようなものだったのか…。山内らの大発見は、シルクロードが繋いだ東西の人々がどのようにして交流をしていたのかを解明する糸口となった。
 
大発見を成し遂げた山内らのチームだが、発掘はまだ終わってはいない。かつての人々の暮らしをさらに解き明かすため、山内は再びキルギスの地へと旅立った。
 
「一生をかけてでも発掘する価値がある」山内がアク・ベシム遺跡の発掘に込める熱意は並大抵のものではない。
人生をかけて歴史を紐解く考古学者、山内和也の果てなき挑戦を追った。