番組表

放送内容

#152

文楽太夫 竹本碩太夫

太夫、三味線、人形遣いが一体となってつくり上げる伝統芸能「人形浄瑠璃」。江戸時代に大阪で発展し、現在では「文楽」の名でも広く親しまれている。その文楽界で将来を期待される若手太夫が、竹本碩太夫ひろたゆう(31)だ。
太夫は、様々な登場人物からナレーションまでを一人で語り分ける重要な役割を担う。碩太夫は文楽協会賞や「咲くやこの花賞」を受賞するなど、次代の文楽を担う存在として注目を集めている。
 
碩太夫が人形浄瑠璃と出会ったのは小学4年生の時。地元・札幌で参加した体験講座がきっかけだった。人形がまるで命を宿したかのように動く姿、そしてその世界を支える義太夫節の力強く美しい語り。その魅力に心を奪われた少年は、高校卒業後、文楽の世界に飛び込んだ。
 
碩太夫が大切にしているのは、「楷書の芸」という考え方。自分らしさを前面に出すのではなく、江戸時代から受け継がれてきた床本(台本)や師の教えに忠実に向き合い、基本を徹底して磨き抜く。全身全霊で語り切る師匠方の背中を追いながら、日々芸の鍛錬を重ねている。
その熱意は伝統の継承だけにとどまらない。自主公演の開催やSNSでの発信にも積極的に取り組み、文楽を知らない世代との新たな接点づくりにも力を注ぐ。伝統を受け継ぎながら、文楽の魅力をより多くの人へ届けようとする若き太夫。その日々に密着した。