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#117

都のスゴ技!伝統芸の達人

1200年の歴史を誇る京都には、脈々と受け継がれてきた伝統が息づいています。今回は旅人・檀れいさんが、今もその技を磨き続ける達人や職人を訪ね、その想いに触れます。
最初に訪れるのは截金師・江里朋子さん。截金は飛鳥時代、仏教とともに伝来した装飾技法で、金箔や銀箔を髪の毛よりも細く切り、繊細に貼り重ねて多彩な文様を生み出します。主に仏像を飾るために用いられてきた技術ですが、朋子さんは香合など、現代の文化の中に溶け込む作品へと昇華。仏師の父と、人間国宝の母・佐代子さんから受け継いだ技と心を胸に、神技ともいえる精緻な手仕事を披露します。

続いては、京都を代表する景観の一つ・伏見稲荷大社の千本鳥居。その鳥居を造り続けるのが、伏見稲荷大社御用達の宮大工「長谷川工務店」です。26代目当主・長谷川實さんのもとで、一本の神聖な木が鳥居へと生まれ変わっていく過程を見学し、さらに奉納の瞬間を映像で目にします。完成した鳥居が並ぶ光景の向こうに、祈りを形に託す職人の責任と誇りが見えてきます。
京都には豊かな食文化が育まれています。そのひとつが京菓子。老舗・亀屋良長の女将、𠮷村由依子さんは、フランスで料理を学んだ経験を生かし、伝統に新しい風を吹き込んできました。トーストにのせて楽しむ「スライスようかん」は京都で知らぬ人のいない大ヒット商品に。最新作には意外な素材を取り入れ、京菓子の可能性を広げています。
最後に訪ねるのは京舞井上流五世家元の井上八千代さん。200年にわたり女性によって守られてきた舞を今に伝えています。京舞井上流は祇園甲部の舞の流派。日本舞踊を習う檀さんは人間国宝・井上八千代さんの稽古を受け、緊張の汗をにじませながらその真髄に触れ、八千代さん自身の舞に圧倒されます。
時代を超えて受け継がれた技と知恵、そしてそれを守り続ける人々の思いを紐解きながら、京都の伝統がもつ奥深い魅力に迫ります。