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#161

中村雅俊&小日向文世 “心の兄弟”ふたり旅

今回の旅人は、俳優・中村雅俊さんと小日向文世さん。今から50年前、中村さんが25歳、小日向さんが22歳だったころ、二人はタレントと付き人という関係でした。カメラの前で二人がこうして並ぶのは、ほぼ初めてだそう。「心の兄弟」と呼び合う二人が、思い出を語り合いながら京都を巡ります。
まず中村さんが小日向さんを連れてきたのは、正伝寺。かのデヴィッド・ボウイが愛し、庭を眺めて涙を流したと伝わる名刹です。比叡山を借景にした枯山水の庭を前に、中村さんの胸にあったのは、日々仕事に追われる小日向さんへの想い。「たまにはこうして静かに景色を眺め、心に残るものがあれば」——そんな心遣いから、この場所を選んだのでした。小日向さんもまた、付き人として過ごした8ヶ月が、今の役者人生の礎になったと振り返ります。さらに、当時の小日向さんが撮った一枚の写真をきっかけに、二人の思い出話に花が咲きます。

続いて向かうのは、祇園の老舗料亭・鳥居本。俳優・田畑智子さんの実家として知られています。旬のハモや明石の鯛に舌鼓を打ちながら、話は次第に深いところへ。「残りの時間で、自分に何ができるのか」。役者一筋を貫く小日向さんと、歌や映画監督にも意欲を見せる中村さん。「最後にもう一本、一緒に作品を」と語り合う姿には、長い付き合いだからこその信頼がにじみます。
旅の締めくくりは、小日向さんが中村さんと京都で一番見たかったという、世界遺産・醍醐寺。豊臣秀吉ゆかりの三宝院庭園には、信長から秀吉へと受け継がれた「天下の名石」藤戸石が。かつて小日向さんは大河ドラマで秀吉を、中村さんはその弟・秀長を演じており、ここでも“兄弟”の縁が顔をのぞかせます。そして本堂で対面するのは、名仏師・快慶が手がけた弥勒菩薩坐像。特別に間近で拝見します。出会って50年、一緒に仏様を拝みながら、若き日には想像もできなかった今を静かに噛みしめます。
タレントと付き人から始まり、それぞれの道を歩んできた二人。「心の兄弟」が京都で紡ぐ、一日限りの特別なふたり旅です。