番組表

動画公開のお知らせ

『BS朝日 日曜スクープ』放送内容を動画公開します。
生放送でお伝えするニュース解説を放送終了後、ネットで動画公開します。
もう一度、ご覧になりたい方、見逃してしまった方、是非ともご利用ください。


■『BS朝日 日曜スクープ』7月2日の放送内容は現在、公開中です。
【熊谷6人殺害・国賠判決】危険切迫を認定も“控訴棄却”遺族の無念◆日曜スクープ◆
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■警察対応の是非巡る“国賠控訴審で判決”原告の控訴棄却
2015年に埼玉県熊谷市で起きた男女6人殺害事件で、妻と娘2人が殺害されたのは、県警の不審者情報の提供が不十分だったとして、遺族の加藤裕希さんが県に約6400万円の損害賠償を求めた国家賠償請求訴訟の控訴審で、東京高裁は6月27日、請求を棄却した1審のさいたま地裁判決を支持し、原告側の控訴を棄却する判決を言い渡した。
 
訴えによると、当時、埼玉県警は熊谷署から逃走中だったペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者を、最初の殺人事件の「参考人」として全国に手配していた。ジョナタン受刑者の逃走については、加藤さんの事件が起きるまで、埼玉県警は明らかにしていなかった。
 
1審のさいたま地裁は昨年4月、埼玉県警の情報提供に違法性はないとして、原告の訴えを棄却した。昨年10月に始まった控訴審では1審と同様、事件の発生について予想可能かどうかという、即ち、警察が予め知り得る「予見可能性」、また、その予見可能性に基づく「結果回避義務」の存否が争点となっていた。
 
■“危険の切迫性”認定も情報提供は警察裁量
6月27日の控訴審判決で、「1件目の事件発生後の2015年9月15日正午の時点で、ジョナタン受刑者が周辺で同じような凶悪犯罪を起こす危険性が切迫していたということができる」と、〝危険の切迫性〟を認定した。しかし、控訴審判決は、「9月15日正午の時点で、埼玉県警が把握していた情報から、最初に発生した殺人事件の犯人がジョナタン受刑者であると特定し、また、類似の犯罪が連続発生することを具体的に認識していたとはいえない」としたうえで、重大事件が発生した初期段階で捜査の状況に応じて、地域住民にどの程度の情報を提供するかは警察の裁量に委ねられている」と判示した。
 
■「家族に報告できず」原告が抱く無念は
判決について、髙橋正人弁護士は、「(裁判官が)〝危険の切迫性〟については認識可能性が捜査機関になかったと言ったわけです。捜査のプロでもない裁判官が〝危険が切迫していた〟と言っている。なぜ、捜査のプロがそれを認識できないのか、非常に不思議だ」と、判決に懐疑的な姿勢を示した。原告の加藤裕希さんは、「主張が認められなかったということで、家族にはまだ報告できない」と無念さを語った。加藤さんは上告について、検討している。
 
▽埼玉・熊谷6人殺害事件
2015年9月に、住宅3軒で男女6人が殺害された事件。強盗殺人などの罪に問われたナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者は2018年3月、1審・さいたま地裁で死刑判決。東京高裁は19年12月、心神耗弱を理由に1審判決を破棄、無期懲役を言い渡した。検察側は上告を見送った。最高裁が20年9月、無罪を主張する弁護側の上告を棄却、無期懲役の高裁判決が確定した。
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)
 
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■『BS朝日 日曜スクープ』4月16日の放送内容は現在、公開中です。
【綿井健陽ルポ戦禍の街】砲撃続く〝バフムト近郊〟日常の現実と痛苦◆日曜スクープ◆
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ウクライナの空を引き裂く戦場の轟音が、生活を営む市民を脅かす。ロシアとの激しい戦闘が続く東部ドネツク州要衝バフムト近郊の街は、砲撃音が断続的に鳴り響き、住民は恐怖と隣り合わせの生活を強いられている。今年2月下旬、バフムト近郊の〝戦禍の街〟チャシウ・ヤルに、ジャーナリスト・綿井健陽氏が入った。綿井氏はこれまで、アフガニスタンそしてイラクなど、数多くの戦争取材を敢行し、昨年3月にはウクライナに入り、キーウ近郊の街ブチャの虐殺現場などを伝えてきた。チャシウ・ヤルは、バフムトから西に約10kmに位置し、ロシア軍による侵攻の前は、1万2000人が暮らしていた。2月下旬には、7割以上の住民が避難し、街には約3000人が留まっていた。先月、今月とロシア軍がさらに街に迫り、脱出する住民が増えたため、現在は約1500人にまで減少した。
 
綿井氏が取材中にも、ウクライナ軍が反撃する砲撃音が鳴り響く。チャシウ・ヤルはウクライナ軍の反撃が断続的に行われているため、ロシア軍に狙われ、被害が相次ぐ。この街で生活するレオニドさん(44)は、綿井氏の取材に「ほんとうに酷い状況だ。砲弾、爆発。住宅の家屋を襲ってくる。この町にある家は半分がやられている」と語った。政府や軍から住民への避難指示などが出されているが、街に残る住民もいる。「チャシウ・ヤルは高齢者に加え、障害を抱える住民も多いといわれる。侵攻前から貧しい地域で、避難したくても経済的に避難が困難な住民が多いという実情が背景にある」と綿井氏は指摘する。
 
チャシウ・ヤルはロシアによるインフラ攻撃を受け、水道、電力網、また、ガスなどのインフラ設備が破壊されている。オルハさん(67)は「水も出ないし、ガスも止まっていて、アパートの中は7度。明かりもない。何もない。生き残る方法は、水を手に入れるだけしかない」、この街で生きる切実な生活の様子を綿井氏に語る。危険な状況下でも街に残る住民は様々な事情を抱えている。「パンをもらうために3時間も歩いたわ」。ハリーナさん(85)は、食料を求めて自宅から3時間の距離を歩いて配給所に訪れた。脳に障害がある息子を介護する必要から避難ができず、街で生活を続けている。「病気の息子と暮らしています。息子は脳に障害があります」と息子の介護のために、戦禍の街に残り続ける思いを語った。
 
戦争の不条理はいつも無辜の民に襲いかかる。平穏な暮らしを奪われ、住み慣れた故郷に別れを告げ、戦禍を逃れる人たちがいる。昨年4月、鉄道駅が攻撃され、多数の市民が死傷したクラマトルシクは、鉄道の重要拠点でも知られる。チャシウ・ヤルから北西に約25㎞離れ、各地からの市民の避難拠点となっている。各地の戦闘地域から逃れた市民を収容する臨時宿泊所が設置されている。綿井氏は、バフムトからクラマトルシクに逃れたマルハリータさん(70)と出会った。「激しい攻撃があるからです。それに私は年老いて、走れないのです。息子は殺され、家は焼け落ちました。財産はすべて焼かれました。何もないのです。ボロボロのリンゴの木が残っているだけです」とバフムトの家を追われた事情を語った。ジャーナリスト・綿井健陽氏が取材を通じて強く感じた印象とは何か。戦禍の街で生活を営む市民の苦悩、ロシアの侵略から逃れた避難民が受ける不条理を明らかにする。
★ゲスト:綿井健陽(ジャーナリスト)、駒木明義(朝日新聞論説委員)
★アンカー: 末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)
 
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■『BS朝日 日曜スクープ』3月12日の放送内容は現在、公開中です。
【熊谷6人殺害その後】〝警察の対応を問う〟控訴審結審…判決は6月◆日曜スクープ◆
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事件発生に伴う警察の注意喚起のあり方を、犯罪被害者の遺族が問う裁判の控訴審。2015年に熊谷市で起きた男女6人殺害事件で、妻と2人の娘の命を奪われた加藤裕希さんは、埼玉県警による周辺住民への注意喚起が不十分だったとして、埼玉県を相手取った裁判を起こしている。その控訴審の第3回口頭弁論が3月10日、東京高裁で開かれた。当時、埼玉県警は、最初の殺人事件が起きた際、熊谷署から逃走中だったペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者を「参考人」として全国に手配していたが、ジョナタン受刑者の逃走については、加藤さんの事件が起きるまで、埼玉県警は明らかにしていなかった。防災無線などで注意を呼び掛けることもなかった。
 
1審のさいたま地裁は去年4月、「県警の対応には問題がなかった」として、加藤さんの訴えを棄却。控訴審で加藤さん側は改めて、“最初の殺人事件が起きても、連続発生の可能性を認めることはできなかった”とする埼玉県警の主張を問題視した。埼玉県警側は「通り魔事件や複数の資産家を狙った計画的強盗殺人事件と目される兆候が認められない限り、連続発生の可能性を認めることはできない」と回答。加藤さん側の代理人、髙橋正人弁護士は「(最初の殺人事件発生後)付近住民に対して、防犯無線とかでちゃんと通告しなさいと言っているだけなのに…。こんなこと、本当に裁判官が認めるのか」と反発する。
 
加藤さんにとって、家族との幸せの思い出が残る自宅は、妻と2人の娘が犠牲になった場所でもある。加藤さんは今なお住宅ローンを支払いつつ、その自宅に積み続ける。「やはり帰ってくる場所が3人にちゃんとあるんだというのを、自分の中で思って…」と語る加藤さん。「県警に、亡くなった3人に対してきちんと向き合って謝ってほしい。でないと報われない」と訴える。ただ、加藤さん自身、精神的な負担から、この2か月近く休職している。現在、復職を検討中だ。
 
控訴審は3月10日の口頭弁論で結審し、判決の言い渡しは6月27日に決まった。司法は、地域の安全と安心にどのように向き合うのか。
 
■埼玉・熊谷6人殺害事件
2015年9月に、住宅3軒で男女6人が殺害された事件。強盗殺人などの罪に問われたナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者は18年3月、1審・さいたま地裁で死刑判決。東京高裁は19年12月、心神耗弱を理由に1審判決を破棄、無期懲役を言い渡した。検察側は上告を見送った。最高裁が20年9月、無罪を主張する弁護側の上告を棄却、控訴審の高裁判決が確定した。
★アンカー:木内登英 (野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト)
 
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