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#35

猫と快適に暮らせる家

今回辰巳琢郎が訪ねたのは、JR横浜駅からほど近い築23年木造一戸建てのF邸です。
Fさんは現在、ご夫婦で7匹の猫たちと暮らしています。
以前はここで5人の息子さんたちと暮らしていましたが、大きくなった息子たちに一時家を託し、ご夫婦は分譲マンションに移りました。
しかし、マンションで飼っていた猫が6匹の子猫を産んだので、マンションでは飼い続けることが出来なくなりました。
そこで子ども達が独立して空家になった機会にこの家を、猫と快適に暮らせる家にリモデルし戻ってくることにしました。
リモデルにあたってのご夫婦の希望は、明るく、天然の素材を使いたいという事でした。
そこで、壁は猫の臭いを消す効果が期待できる漆喰にしました。
漆喰はコストを抑えるため、左官に頼まず、家族総出で塗りました。
フローリングや、テーブルなどは、通常の半分ほどのコストで出来る、建築現場で足場として使われている厚さ3センチもある杉板を使いました。
でこぼこした表面の仕上げも、ご自分たちで電動ヤスリをかけました。
以前は暗かったという1Fのリビングキッチンを明るくするため、既存の壁は取り払いワンルームにし、天井近くには足場板でキャットウオークを作り、更に2Fの廊下をスノコ状にして天窓からの明かりを取り入れる工夫をしました。
高い場所を好む猫たちにとって、恰好の遊び場になりました。
また1Fのキッチンはオープンキッチンとし、キッチンの下は猫が歩き易いように棚なども作らず、シンク下は水道管などを敢えて剥きだしにしました。
戸建はマンションに比べて気密性が低く、夏は暑く冬は寒かったため、冷暖房費を抑えることを考え、既存のサッシに新たに内窓を取り付け、二重サッシにしました。
明るく快適になった家に、今では独立した息子さんたちが、それぞれ、孫たちを連れてやってくるそうです。
猫と息子たちと孫たちに囲まれ笑顔が絶えないFさんご夫婦でした。
 
藤井伸介建築設計室
http://homepage3.nifty.com/kenchikuka/project.html