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#113

やもめの父が淋しくないよう趣向を凝らした町田の家

小田急線で新宿までおよそ30分、東京都町田市。1960年代、都心の人口集中を緩和するため、丘陵を切り開き、団地が次々と建設されました。以来、ベッドタウンとして急速に開発が進みましたが、その周辺には鎌倉時代から鎌倉と東京を結ぶ交通の要衝であった七国山など多くの緑が今でも残っています。
今回はそんな自然に囲まれたマンションで一人暮らしをするYさんのお宅を訪ねます。Yさんが町田市に引っ越して来たのは中学生の時。結婚後は家族で近くの団地に住んでいましたが、38歳の時このマンション購入しました。定年後は夫婦でゆっくり暮らそうと計画していたYさんでしたが、その矢先に奥様が他界。一年間は悲しみにくれ、塞ぎ込んでいたそうです。そんな父を見た建築家でもある一人息子のTさんがリモデルを提案。父が心機一転でき、一人でも寂しくなく生活を楽しめる住まいを実現しました。
家族3人で暮らしたマンションは元々85m2の3LDK。一人暮らしでは部屋を持て余してしまうため、どこにいても見通せるワンルームに間取りを変更。以前は各部屋の壁に囲まれ暗かった玄関も壁を取り壊し、寝室までつながる10帖もの土間玄関に。靴を履いたまま趣味の自転車や登山用具を出し入れできるようになりました。
以前から広いリビングが欲しかったというYさん。LDと和室の間の壁を取り壊し、13帖半のゆったりとくつろげる空間に変更しました。一部の壁と天井は床材のジャーマンオークを連続させてリゾート風に。
洗面スペースのまわりの壁には、ニューヨークの地下鉄で使われているようなデザインのメトロタイルを貼ることで、木に囲まれた空間のアクセントにしました。山小屋風にはしたくなかったこともあり、リビング側の壁にもタイルを斜めに貼ってスタイリッシュに仕上げています。
奥様がいた頃は交流が少なかったというYさん親子でしたが、リモデルをしてからはお孫さんを連れて頻繁にこの家に訪れるとのこと。趣味の道具にまじって置いてある子ども用の遊具も、土間玄関によく馴染んでいました。
 
設計担当:チハルガデザイン設計事務所
http://www.chiharu-ga.com/

【平面図】

before

after