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#124

ミシュラン2つ星を持つ鮨職人の白いギリシャ風の家~前編~

東京都23区の最南端に位置する大田区蒲田。気候が温暖なため、平安時代から梅が栽培され、梅木村(うめきむら)と呼ばれていました。江戸時代には和中散という薬を商う薬屋が、梅の名木を集めて、東海道を往来する旅人を相手に茶屋を開きました。蒲田梅屋敷として、江戸近郊の梅の名所として有名になり、広重の浮世絵にも描かれています。
今回は、番組初!2週連続スペシャル企画の前編。リモデルで幸せを手に入れたご夫婦の感動秘話をご紹介します。蒲田で120年以上も続く、老舗鮨屋を営むNさんご夫妻。ミシュランガイド東京で2つ星を7年連続獲得した名店です。鮨職人の父に憧れて、家業の鮨屋の4代目を継いだご主人が17年前に建てた店舗兼自宅の3階建てのビル。1階には寿司屋の店舗、2階と3階にご夫婦と愛犬2匹が暮らしています。1階の鮨屋には、伊勢神宮で使われているという最高級の尾州ヒノキでカウンターを作るなど、とことん内装にはこだわったと言います。その分2階と3階の住居部分は予算を削り、簡素なものでした。また、以前はNさんの両親と一人娘の家族5人で暮らしていましたが、娘の結婚を機会に奥様が長年憧れていたエーゲ海に建つギリシャ風民家の雰囲気に、今回改めてリモデルすることにしたのです。
以前、従業員の更衣室として使っていた2階の和室は、ゲストをもてなすサロンに。漆喰仕上げの白壁で、半円のアーチでゆるやかに仕切り、エーゲ海に浮かぶ民家の雰囲気を演出しています。また、天然石風の床材は、愛犬達が快適に過ごせるように床暖房を入れました。サロンの南側には、構造上どうしても抜けない大きな梁がありましたが、目隠しも兼ねて、擬石を用いた壁を設えました。リゾート地の雰囲気を演出しているこの壁は、ディズニーランドなどの装飾も手掛けるアート集団に依頼して作成したもの。モルタルを材料に、時を経て風化したような自然の石壁の風合いを醸し出しています。
実は、住居部分の2・3階は、7年前に一度、Nさんの手によって独力で改修したといいます。10年前、病に倒れた奥様の夢を叶える為、ご主人がお金をかけずリモデルしたわけは・・・。最愛の妻の為に奮闘する夫と闘病に寄り添う愛犬との心温まるストーリーの前編。
 
設計担当:ネイチャーデコール
(http://www.nature-decor.com/)

【平面図】

2F before

2F after

3F before

3F after