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#200

蔵を住まいに再生 息子夫婦に贈る下諏訪の家

長野県諏訪市。長野県のほぼ中央に位置する諏訪湖は信州一大きな湖です。戦後、数多くの軍需工場は他の地域に出て行きましたが、湿気が少なくきれいな空気のこの地域は、精密機械を製造する場所として大きく発展。とりわけ時計産業はのちに「東洋のスイス」と称されるほどになりました。
 
今回は、そんな諏訪湖からほど近い場所で、祖父が建てた蔵を息子夫婦の為にリモデルしたK邸を訪ねます。
諏訪大社からほど近い旧家や蔵が今も残る一角に施主のKさんは奥様と、そして愛犬と一緒に暮らしています。
Kさんはかつてメーカーの技術職として働いていましたが10年ほど前にリタイア。今は自宅の畑で野菜を作ったりしながら暮らしています。
 
自宅の敷地に祖父が建てた倉庫として使ってきた蔵を、今まで何度か改修しながら維持していたそうですが、毎回の改修費用も負担が多く、息子夫婦にこのまま引き継がせることに悩んでいました。
そんな中、息子夫婦から「蔵に住みたい」と言われ、築105年の蔵を新たな住まいへとリモデルしたんです。
 
建築家は、改修時に付け加えられたものは出来るだけ撤去し、初期の状態に戻した上で保存再生することに。
蔵の前室として使われていた部分を土間にし、母家との交流の場所としました。蔵の壁構造―板壁と厚さ約25cmの土塗壁はそのまま残し、その上から断熱、高性能サッシを新たに取り付けて、住宅としての機能を高めました。 
 
今は離れて暮らしている息子夫婦がこの蔵の家に住むまでは、趣味の習字などを楽しむKさんの憩いの場所となっています。
 
設計担当: 渡辺ガク g-factory
https://gfactory-arch.com/

【平面図】

1F before

1F after

2F before

2F after