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#219

日常と非日常を行き来するアートと一緒に暮らす家

東京・品川区大崎。今では高層ビルが立ち並ぶビジネス街ですが、 江戸時代、目黒川沿いに田畑が広がる農村地帯でした。明治に入ると、目黒川の豊富な水を求めて、工場が次々と誕生。日本人の手で初めて作られた飛行船や、国産初の大型オートバイを製造するなど、“ものづくりの街”として発展してきました。
 
今回はこの大崎に築32年の中古マンションの一室を購入し、リモデルされたK邸を訪ねます。
施主のKさんは、会社員ながらも、現代アート本を出版する程のアートコレクター。これまでコツコツ買い集めたコレクションの数はなんと100点以上!しかし、以前の住まいではスペースに限りがあったため、せっかくの作品を満足に飾ることができていなかったそうです。そこで、二人目の子どもが生まれるタイミングで、3LDKのマンションを購入しリモデルを決意しました。
設計は、高校時代の同級生で建築家のIさんに依頼。Kさんからも要望を詰め込んだプランを色々と提示しましたが、Iさんの提案したコンセプトに一目惚れ!アートと生活空間が共存する斬新なアイデアとは!?
 
玄関の扉を開けると、“額縁”がズラリと並んだ、まるで画廊のような廊下がお出迎え。その廊下に飾られているのは!?もちろん!Kさんご自慢のアート作品だけでなく、よく見ると、ある額縁は部屋へと続く開口に。またある額縁はシューズクロークの扉に。さらに別の額縁は姿見に!日々の暮らしにアートが溶け込んでいるのか、アートの中に家族の暮らしがあるのか。“額縁”を介して、日常と非日常を行き来するような住まいが実現しました。
実は、建築家でありながら、これまでの6年間はイラストレーターの仕事をメインに続けてきたというIさん。建築家としての記念すべき第1号の作品となったK邸の評判は、上々とのこと。今回の設計を皮切りに、第2号、第3号の作品が心待ちとなるリモデルとなりました。
 
設計担当:一瀬健人さん・野口理沙子さん/イスナデザイン
https://isnadesign.com

【平面図】

before

after