番組表

放送内容

#133

フレンチシェフ 田辺年男

東京・五反田の静かな住宅街。
その一角に、知る人ぞ知る人気のフレンチレストランがある。
店の名は、ヌキテパ。
この店で唯一無二の料理を生み出し続けているのが、2017年に「現代の名工」に選出されたオーナーシェフ、田辺年男(77)だ。
料理の主役は、厳選した旬の海産物と野菜。素材のよさを最大限に引き立たせる田辺の技の数々が、食通たちを唸らせる。
そして多くの人を驚かせるのが、“土”を取り入れた「土のフルコース」だ。
野菜も魚も、もとは土から生まれる。その発想から、「土もまた食材になり得るのではないか」と試行錯誤を重ね、珠玉の料理へと昇華させた。
 
学生時代は体操選手として、その後はプロボクサーとして世界一を目指した異色の経歴の持ち主。引退後、30歳でフレンチの世界へ飛び込んだ。修業はフランスのレストラン。はじめは門前払いされたが、毎日客として通い詰め、数カ月かけて店のすべての料理を食べ尽くすと、熱意が伝わり入店を認められたという。その後、東京でフランス料理店をオープンさせた田辺。現在の成功には、スポーツで培ったファイティングスピリッツが息づいているのかもしれない。
 
感性を頼りに、料理の可能性を追い求め続ける男。
77歳となった今もなお、探究をやめない料理人の“現在地”に密着した。