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#149

超絶技巧を極めた匠の技SP

1000年以上もの間、都として栄えてきた京都。その文化を支えてきたのは、超絶技巧を持つ匠たちです。今回は旅人・内藤剛志さんが、そんな匠たちのもとを訪ね、その技と想いに迫ります。
最初に向かうのは嵐山にある「中嶋象嵌」。象嵌とは、鉄の板に金や銀の装飾をはめ込んでいく伝統工芸で、1200年以上の歴史を持ちます。3代目・中嶋龍司さんに髪留めを作る工程を見せていただきます。最初の作業は「布目切り」。肉眼では確認できないわずか1ミリの間に7〜8本の線を刻む驚きの職人技です。続く「入嵌」で金銀の装飾を打ち込み、漆の重ね塗りと「研ぎ出し」を経て、漆黒に金銀が浮かび上がる象嵌が完成。内藤さんも入嵌を体験し、象嵌師25年の中嶋さんの熱い想いにも迫ります。

続いては「織匠平居(おりしょう・ひらい)」で西陣織の超絶技巧を見学。こちらで織られているのは僧侶がまとう袈裟。幅0.3ミリの金箔を織り込むために使われるのが、150年前にフランスから輸入されたジャカード機です。柄のデータを記録した紋紙を読み込ませ、縦糸を引き上げて横糸を通すことで模様を生み出します。かつては模様の全てを記憶した職人が機械の上に乗って操作していたといいます。その金箔を織り込む早業はわずか1秒。しかも作業中は生地の表面を直接見ることができず、鏡越しに確認しながら織り上げる瞬き厳禁の超絶技巧です。
「茶寮京都よしつぐ」では「食べられる超絶技巧」を拝見します。それは升いっぱいに花々が咲き誇る「花餡(はなあん)ケーキ」。バラ、さくら、菜の花……すべて餡で作られています。バラ一輪に花びらは18枚。1枚1枚を丁寧に重ねていく技を見学し、美しい花餡ケーキをいただきます。
最後は「山本合金製作所」へ。京都唯一の鏡師・5代目山本晃久さんが手掛けるのは御神鏡などの銅鏡です。安倍元首相がバチカン訪問の際にローマ法王へ献上した「魔鏡」もこちらの作品。魔鏡とは、表面に光を当てると裏に施された模様が浮かび上がる不思議な鏡。その秘密は、1ミリ以下になるまで磨き続けるという極限の超絶技巧にありました。
京都だからこそ残る圧巻の超絶技巧に思わず息をのみます。