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1989年、ある日本人の研究が世界中の生物学者を驚かせた。
日本人の名は浅島誠。浅島が発見した『アクチビン』という物質は、当時「探しても見つかられない夢の物質」と呼ばれていたものだった。
生物の発生において、「1つの卵からどのようにして器官や臓器が作られるのか」、長年の謎だった。何かしらの物質が、受精卵が細胞分裂していく過程でそれぞれの器官になるように誘導しているに違いない。そう説いたのは、ノーベル賞を受賞したドイツの発生学者、ハンス・シュペーマン。1924年のことだった。
その発表から、世界中の研究者がその物質を探したものの、誰も見つけられない。いつしか、誰もが探すことをやめてしまった。
そんな中、浅島は熱い情熱で真実をみつけようと研究に打ち込み続けた。
そして、18年の時をかけ、細胞の分化を誘導する働きを持つ誘導物質がアクチビンというたんぱく質の一種であることを突き止めたのだ。これによって一つの細胞から生物の筋肉や器官が作り出される仕組みが解明されることとなった。
その後浅島は、アクチビンにより20以上にもおよぶ器官や臓器を作り出すことに成功し、現在の再生医療の基盤を作った。
浅島は今、社会的課題を解決することを目的として新たに設立された「帝京大学先端総合研究機構」の副機構長として活動している。
不屈の精神で研究を続け、大きな功績を残した浅島誠。彼がこれから目指す先とは。