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放送内容

#155

書体デザイナー 西塚涼子

私たちの生活の中にあふれている「文字」。その文字の形を一からデザインし、フォントとしてつくりあげるのが「書体デザイナー」だ。この仕事を約30年にわたり続けているのが、大手ソフトウェア会社「アドビ」に所属する書体デザイナー・西塚涼子(54)。
 
小学生の頃から教科書に並ぶ「印刷文字」に興味を持ち、ノートに明朝体を真似して書いていたという西塚。文字の世界に進むきっかけとなったのが、 美術大学で出会った「レタリング」の授業。普段何気なく見ていた文字の美しい形や仕組みに興味を持ち、夢中になって取り組んだ。
 
以来、大切にしてきたのは、使う人にとって心地よい文字。デジタルの時代になっても、筆と墨で文字を書き、一文字ずつ形やバランスを細かく調整しながら文字を作っている。これまでに、藤原定家の筆跡をベースに作成した「かづらき」や、鳥獣戯画から着想を得た「貂明朝」を手がけ、2025年には日本語初の縦横比を自在に変えられるフォント「百千鳥」を発表。NY TDC賞 2026で最高賞、東京TDC賞2026でタイプデザイン賞を受賞するなど、国内外で高い評価を受けている。
 
「三度の飯より文字が好き」と語る西塚。この先ずっと、誰かの生活の中で使い続けてもらえる仕事を目指している。誰よりも文字を愛し、その可能性を追い続ける書体デザイナー・西塚涼子の仕事と、その思いに密着した。